アラブ首長国連邦のアラブ機関投資家は仮想通貨投資を増やす計画

アラブ機関投資家は仮想通貨投資を増やす計画

石油依存の国々は、現在、広く出現している仮想通貨分野で大きなチャンスを見いだし始めており、最新報告によると、UAE(アラブ首長国連邦)のウェルスマネージャーと機関投資家は、2023年までの今後2年間で仮想通貨へのエクスポージャー(※1)を増やす用意があることを示している。

(※1)エクスポージャー(exposure)とは…
投資家や金融機関、企業が保有する金融資産のうち、市場の価格変動リスクや特定のリスクにさらされている金額や残高、その比率のこと。

ロンドンを拠点とするデジタル資産管理会社のNickelDigital Asset Managementの調査によると、大手機関投資家はデジタル資産へのエクスポージャーを劇的に増やしたいと考えているとして、Nickel Digitalの最高経営責任者兼創設パートナーであるアナトリー・クラチロフ(Anatoly Crachilov)氏は、次のように述べた。

最近の仮想通貨市場の修正にもかかわらず、私たちの調査は、プロ投資家の間でこの資産クラスに対する欲求がますます高まっていることを確認しており、建設的な長期的見解を喜んで受け入れています。アラブ首長国連邦に拠点を置く多くのファミリーオフィスや中東全体で仮想通貨の採用が増えていることを嬉しく思います。


アラブ首長国連邦における仮想通貨の需要の高まり

最近の市場修正で、機関投資家は仮想通貨への投資を倍増させている。

ArkInvestmentsRothschildInvestmentsのような期間投資家は、GBTC(Grayscale Bitcoin Trust)のような規制された商品に多額の投資をすることで、ビットコインへのエクスポージャーを獲得している。2021年現在までのところ、仮想通貨資産には合計57億ドルの機関投資家の資金が流入しており、そのうちの73%がビットコイン(Bitcoin/BTC)へ投資している事が分かっている。

アラブ首長国連邦政府は、仮想通貨取引・使用に関する公式規制をまだ策定していない。しかし、これは投資家が市場に参入することを妨げておらず、多くの取引所がAbu Dhabi Global Market(アブダビグローバルマーケット)(※1)内で運営するための法的ライセンスを確保している。

(※1)Abu Dhabi Global Market(アブダビグローバルマーケット)とは…
アラブ首長国連邦の首都であるアブダビのアルマリヤ島にて2013年にアブダビ商工会議所によって設立されたた国際金融センターおよび金融フリーゾーンの事。

Nickel Digitalによる最新調査では、UAEベースの大多数が仮想通貨への投資の理由として長期的な資本の上昇を挙げている。そのうえ投資家は、仮想通貨がより大きな流動性プールを提供し、規制環境の改善は良い進展であると述べている。しかし、投資家は、規制の明確さの欠如が、この資産クラスへのより大きな投資を行うことを妨げていることに同意しているという。