PBoC がAlipay と大手銀行に仮想通貨サービス提供の停止を命令
中国の中央銀行にあたるPBoC(People’s Bank of China:中国人民銀行)は、主要銀行と決済プラットフォームAlipay(アリペイ)に対し、仮想通貨にリンクされたサービスの提供を停止するよう命じたことが現地メディアの報道で分かった。
PBoCは、主要銀行と決済プラットフォームAlipayに、仮想通貨にリンクされたサービスの提供を停止するよう圧力をかけた。PBoCは、国内の主要貸し手と支払いプラットフォームを召喚した会議で命令を出し、これらにはICBC(Industrial and Commercial Bank of China Limited:中国工商銀行)、中国農業銀行(Agricultural Bank of China Ltd.)、およびAlipayが含まれている。また、PBoCの声明によると、中国建設銀行、中国郵政儲蓄銀行、興業銀行も会議に出席していたことが分かっている。
PoCステートメント
The central of China issued a statement stating that it had interviewed 5 banks and Alipay, requesting not to participate in virtual currency-related business activities. https://t.co/fI4Ga82dkW https://t.co/xrSvigxTA4 pic.twitter.com/RFnZ3jlobZ
— Wu Blockchain (@WuBlockchain) June 21, 2021
具体的には、すべての銀行と決済機関に対し
・ビットコインリスクの防止に関する通知
・トークン発行の資金調達リスクの防止に関する発表
以上の2点を厳格に実施するよう命じていた。
彼らは顧客識別義務を果たさなければならず、仮想通貨取引、清算、または決済に関連する口座を開設してはならない。さらにPBoCは、仮想通貨取引所と店頭ディーラーの資本勘定を包括的に調査および特定し、取引資金の支払いリンクをタイムリーに遮断する必要があると述べている。PBoCは、仮想通貨取引活動が通常の経済的、財政的秩序を混乱させると述べたほか、違法な国境を越えた資産の譲渡やマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪行為のリスクにも寄与し、「人々の財産の安全を著しく侵害している」と述べた。
なお、PBoCが最初に同声明を発表した後、ビットコインは10%も下落している。
中国農業銀行の黙認と政府によるSNSからの締め出し
会議に続いて中国農業銀行は、PBoCに沿って独自の公式声明を発表したことが大手メディアのロイターが報じている。
中国農業銀行は仮想通貨のマイニングとトランザクションに関連するアクティビティを見つけるために、クライアントに対してデューデリジェンス(※1)を実施すると述べている。
投資を行うにあたって、企業などに要求される当然に実施すべき注意義務および努力のことであり、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを適当(相応の)調査を実施することを指す。
また、中国農業銀行では、仮想通貨取引に関与していることが判明したクライアントのアカウントを直ちに閉鎖することにも言及し、関係を停止すると述べたほか、クライアントに違法行為を報告するように依頼。同銀行は仮想通貨詐欺に対しても警告している。
一方、中国政府は、NEXTMONEYの特集記事「中国のツイッター「微博」が大量の仮想通貨関連アカウントを禁止」、「中国の検索エンジン、Binance、Huobi、OKExのキーワードを検閲ブロック」で報じたように、多くの仮想通貨関連のソーシャルメディアアカウントをブロックしている。
中国政府による仮想通貨取り締まり
中国政府主導とみられるソーシャルメディアからの締め出しは、中国内の顔す通貨を統治するための中国政府による最新の取り組みである。
2021年5月、中国政府は銀行またはオンライン決済チャネルがクライアントに仮想通貨を含むサービスを提供することを禁止。これはビットコインの価格を転落させ、次に同政府は、「Bybit、6月15日に中国の電話番号に登録されている全アカウント閉鎖へ」、「中国の内モンゴル自治区がマイニング関連した新条例を発表」、「中国の内モンゴル自治区が仮想通貨マイニング禁止8措置を設定」などで報じたように、仮想通貨のマイニング事業も取り締まると発表した。