JPYCが自家型前払式支払手段発行体の届出書を提出
世界を日本円のステーブルコインでリードすることを企業モットーに日本円デジタルコインのJPYC(※以下、JPYCoinと表記)を発行しているJPYC株式会社(※以下、JPYC社と表記)が、2021年5月31日(月曜日)、資金決済法に基づいて、東京法務局へ供託を完了し、自家型前払式支払手段発行体の届出書を関東財務局東京財務事務所へ提出したことが分かった。
JPYC社は、基準日における未使用残高の100%に1000万円を加えた2,691万9,135円の供託を実施。JPYCoinは1JPYC=1円で取引される前払式支払手段扱いの日本円ステーブルコインある。
JPYCはなぜ今供託なのか
話を進める前に、前払式支払手段とは何なのかについて少し触れておきたい。
前払式支払手段とはとは、資金決済法の第十四条に定められているように、未使用残高の50%以上の供託が定められている。
金銭や有価証券などを国家機関である供託所に提出し、その管理を委ね、最終的には供託所がその財産をある人に取得させることによって一定の法律上の目的を達成しようとするために設けられている制度である。ただし、供託が認められる範囲が法律で定められており、法令(民法、商法、民事訴訟法、民事執行法等)の規定により、供託が義務付けられている場合または供託をすることが許容されている場合に限られている。
引用サイト:法務省「供託手続き」より
非中央集権分散型取引所での投入が多いJPYCoin
JPYCoinは前払式支払手段に該当し、JPYCoinの価格安定を念頭に、顧客が安心してJPYCoinを利用できるよう、未使用残高の100%(法定の200%)+1000万円である2,691万9,135円を東京法務局に供託したとのことだ。また、JPYCは供託に加え、関東財務局に自家型前払式支払手段発行体の届出も完了している。
またJPYCoinは、Uniswapなどの非中央集権分散型取引所での投入が多いのも特徴である。1JPYCの二次流通価格が1円を下回った際には、ユーザーはUniswapで保有するETHやその他のERC-20トークンからJPYCoinにSwapし、Amazonなどで商品を安く購入することで、実質価格が1円近くにまで上昇するとJPYCは述べている。
JPYCはPolygonやxDAIといった複数のブロックチチェーンネットワークにも対応しているが、JPYC側は今後も対応ブロックチェーンを拡大していく計画を明かしている。
JPYC社の概要
JPYC社は2019年11月に創業されたばかりのスタートアップ企業である。
同社は2021年1月に日本国内で初めてERC-20自家型前払式支払手段として日本円連動ステーブルコイン「JPYCoin=JPYC」を発行した企業で、親和性の高い事業者との業務提携を積極的に進め、利用者へのサービス充実を図っている。