ワンコインのクリプトクイーンが23万BTC所有の可能性浮上
世界最大の仮想通貨ポンジースキーム首謀者の1人、Onecoin(ワンコイン)の「クリプトクイーン(Cryptoqueen)」として知られるルジャ・イグナトワ(Ruja Ignatova)被告が現在、110億ドル(約1兆2,000億円)を超える23万BTCを所有していると現地メディアが報じた。
ワンコイン詐欺被害者らによって提出された裁判所の文書には、ルジャ被告の所有するビットコインが、ドバイのエミラティ(Emirati)王室のメンバーから受け取ったことを示している。ルジャ被告は、セバスティアン・グリーンウッド(Sebastian Greenwood)被告と、彼女の兄であるコンスタンチン・イグナトフ(Konstantin Ignatov)被告と共同でワンコインを設立。表面上はブロックチェーンネットワークに接続されたパッケージを特徴とするMLM(マルチレベルマーケティング=連鎖販売取引)ベンチャーだが、組織構造と不正な主張のために、コミュニティはすぐにワンコインについて警告を発していた。
巨額仮想通貨を抱えて行方をくらましているクリプトクイーン
ワンコインは2014年9月16日に開始されたが、2015年にはすでにブルガリアの金融監督委員会がプロジェクトに関する警告を発している。
ワンコインの本社はブルガリアに拠点を置いていたものの、ドバイで海外企業として登録され、その子会社であるワンライフネットワークがベリーズで登録されていた。2016年の終わりには、ほころびが表面化し始め、調査員は、プロジェクトがいかなる種類のブロックチェーン技術も使用したことがないと述べている。さらに、2017年に米国の法執行機関によってイグナトフ被告に対するの逮捕状を送付すると、ルジャ・イグナトワは行方をくらました。
グリーンウッド被告は翌年の2018年に逮捕された後、NEXTMONEYの特集記事「米国の弁護士、巨大ピラミッドスキーム「OneCoin」のCEOに対する告訴を発表」で報じているように、兄のコンスタンティン被告がさらにその翌年の2019年3月にロサンゼルスで逮捕されている。米国の検察官によってワンコインが世界中の参加者から40億ドル(約4,358億円)を不正に受け取ったと主張しており、3被告はいくつかの訴訟を抱えた。
その後コンスタンティン被告は、2019年11月に詐欺とマネーロンダリングの罪を認めたものの、妹であるクリプトクイーンのルジャ被告は現在まで一度も逮捕されていない。現在、被害者からの裁判所への申し立て書には、ルジャ被告が数十億ドルに相当するビットコインを所有している可能性があると述べている。
ルジャ被告とエミラティ王室一員との関係
ルジャ被告はドバイに5億ドル(約545億円)相当の資金が入った口座を持っている可能性があるほか、23万BTCを取得している可能性があることもレポートの中で主張している。
なかでも注目されているのが、ルジャ被告がドバイで最も裕福な王族の1人息子であるシェイクサウド(Sheik Saoud)氏から110億ドル相当のビットコインを入手。取引の正確な詳細は不明だが、BTCが1BTCあたり約6,000ドルで取引されていた2017年10月に取引が行われたとされている。このような背景から、マルチ商法の裏側で、クリプトクイーンとシェイク・サウド氏との関係は“特典付き”だったと言われている。
ルジャ被告は、政府間共同行動基金(ICAFE)とアラブ首長国連邦(UAE)から「外交信任状」を取得しており、MLMのレポートには、「イグナトワは免責されて旅行することができた」と強調されており、金融コラムニストのリック・スティーブス(Rick Steves)氏の記事には、元不動産業者のミモン・マダニ(Mimoun Madani)氏の関与も報じており、次のように述べている。
ポンジースキームは、ドバイの銀行や不動産に数十億ドルを注ぎ込み、シェイク・サウド・ビン・ファイサル・アルカシミ閣下と元不動産業者のミモン・マダニに助けられたとされています。