タイラー・ウィンクルボス:中央銀行などによるBTCの購入は避けられない

中央銀行や政府がビットコイン購入へ向かう

米国の仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)の共同創設者であるタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏は、仮想通貨の採用が増え続けており、財務目的で企業によってより広く採用されるるほか、中央銀行や政府系ファンドによるビットコインの購入についても避けられないと語っている。

仮想通貨愛好家であるウィンクルボス氏は先週AIM Summitとデジタル資産マネージャー3iQが主催したウェビナーで、ビットコインは金よりもインフレに対するより良いヘッジとして機能するため、財務目的でバランスシートに保持する企業も増える可能性が高いと述べたうえで次のように語っている。

ある時点で、中央銀行はバランスシートにビットコインを置くでしょう。それはまさに起こるでしょう。中央銀行はバランスシートに金を持っているからです。そしてビットコインはゴールド2.0です。


タイラー・ウィンクルボスとキャメロン・ウィンクルボス兄弟について

タイラー氏の双子の兄であるキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏は、2004年に、ソーシャルネットワーキングサイトHarvard Connectionの構築に採用したFacebookの創設者マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏を訴えた後、世界的にも広くその名が知られる様になった人物である。ウィンクルボス兄弟は、ザッカーバーグ氏がFacebookを作成するという自分たちののアイデアを盗んだと主張。事件は2008年2月に解決され、双子は現金とFacebookの株式で6,500万ドル(約71億円)を受け取ったと伝えられている。フォーブス誌によると、彼らはこれをビットコインに投資し、現在、それぞれ30億ドル(約3,290億円)の純資産を保有しているとのこと。

ウィンクルボスの双子は、2012年に日本のマウントゴックス取引所を通じてビットコインに最初に投資。マウントゴックス取引所とは、当NEXTMONEYの特集記事「【仮想通貨用語集】『GOX(ゴックス)』とは?」、「マウントゴックス事件が仮想通貨市場を左右する」、「元Mt.GOX(マウントゴックス)CEOカルプレス氏に対して、検察側は懲役10年を求刑」などで報じているマウントゴックス社だ。同取引所はかつてすべての取引の70%を処理する世界最大のビットコイン取引所であったが、ハッカーが約85万ビットコイン(今日では5兆4,000億円相当)を盗んだ後、2014年に破産している。この事件による彼らの損失は、NYDFS(ニューヨーク州金融サービス局)によって規制されている仮想通貨の保管と交換サービスを提供する会社であるジェミニを設立することに拍車をかけたと言われている。

ウィンクルボス兄弟の今後の企業展開と野望

ウィンクルボス兄弟は、世界最大のマネーマネージャーが使用できる「機関投資家向け」の取引所を構築したいと述べている。

ただし、これまでのところ、ビットコイン関連の投資をクライアントに提供している大規模な資産運用会社はほんの一握りである。ウィンクルボス兄弟によると、Geminiはすでにビットコインへの投資について、ソブリンファンド、年金基金、基金マネージャーと話し合ったと明かした上で、次のように語っている。

彼らが資産クラスでどれほど洗練されていて知識が豊富であるかに驚かれることでしょう。私の意見では、ソブリン・ウェルス・ファンドが出て、ビットコインを持っていると言ったときではありません。彼らはすでにそれを持っているかもしれません。

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