米国財務省:ロシア企業などに2020年の選挙妨害で制裁へ

OFACが2020年の選挙妨害に対する制裁へ

OFAC(米国財務省外国資産管理局)は、2020年の選挙で干渉したとして16グループと16人を制裁したことが分かった。

経済制裁実施を担当するOFACが4月15日(木曜日)、選挙の完全性を損なうことを試みたと主張する16グループと16人に対する行動を発表した。また、本日付のNEXTMONEYの特集記事「米国・バイデン大統領、露・サイバー攻撃に対し国家緊急事態を宣言=制裁を拡大する大統領命令を発布」で報じているように、バイデン大統領は、ロシアの干渉疑惑に関連する国家緊急事態を宣言する大統領命令を発布した。

ブロックチェーン追跡会社Chainalysis(チェイナリシス)によると、認可された32のグループと個人のいくつかは、仮想通貨を使用して活動の資金を調達していたことが分かった。Chainalysisによると、SouthFrontはロシアで登録されたオンラインの偽情報サイトで、ロシアの諜報機関であるFSB(連邦保安局)からタスクを受け取ったとされており、アフリカの政治を操作するために使用されたとされている。また、ウラジーミル・プーチン大統領と密接な関係を持つとして広く知られるロシアの実業家イエブジニ・プリガザイン(Yevgeniy Prigozhin)氏は、フロント企業AFRIC(自由研究国際協力協会)を隠れ蓑として活動しているとみられており、2016年の米国大統領選挙に干渉するため、OFACが以前に指定したロシアの金融業者であるIRA(インターネットリサーチエージェンシー)を運営する人物だ。

Chainalysisによると、SouthFrontはビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアムで合計12,146ドル(約130万円)を受け取っており、AFRICにはZcashとDashのウォレットがあるものの、プライバシーを重視する秘匿性の高い仮想通貨を受け取ったことはこれまでにもない。

新たな米国のロシアへのキャンペーン

米国の諜報機関が2016年の大統領選挙キャンペーンにリンクしているとされているロシアのインターネットトローリング(※1)グループであるIRAメンバーは、トロールファームを作成し、偽情報キャンペーンを実行するためにSESからドキュメントを購入したとされている。
(※1)インターネットトローリングとは、インターネットを使った妨害行為や嫌がらせ行為を指す。

これらの件についてジャネット・イエレン財務長官は公式発表で、次のように語っている。

財務長官は、米国の選挙プロセスに干渉したり、米国の民主主義を覆そうとしたりするロシアの指導者、当局者、諜報機関、およびその代理人を標的にするだろう。これは、ロシアの悪性行動に反対する新しい米国のキャンペーンの始まりです。

米国・バイデン大統領、露・サイバー攻撃に対し国家緊急事態を宣言=制裁を拡大する大統領命令を発布

2021.04.16