FRBのパウエル議長、仮想通貨について警告もBTCをデジタルゴールドと認識

FRBのパウエル議長の仮想通貨認識と警告

FRB(米国連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は3月22日(月曜日)、国際決済銀行イノベーションサミットのイベントで、仮想通貨が米ドルに取って代わるには変動が大きすぎると警告したほか、ビットコインはどの通貨よりも金に似ているという見解を述べた。

CNBC Television
「WATCH LIVE: Fed Chair Jerome Powell speaks at Bank of International Settlements event — 3/22/21」
より動画引用

パウエル議長が23日、ビットコインは金の代替品と見なすことができると繰り返し述べ、ビットコインは新しい「デジタルゴールド」であるという一部の市場参加者の間で共有された見解を強調して述べた。しかしその一方で、議長は、仮想通貨の変動性について警告もしている。仮想通貨に対する警告について議長は、国際決済銀行イノベーションサミットの仮想イベントで、ビットコインは「投機的資産」であるとして次のように語っている。

仮想通貨は非常に不安定であり、価値の保存としてはあまり有用ではなく、何にも裏付けられていません。仮想通貨は憶測の資産のため、投機的な資産であり、支払い手段として特に使用されているわけではありません。それはより投機的な資産で、本質的には、ドルではなく金の代わりになります。


これまでも仮想通貨の動向に注目してきたパウエル議長

パウエル議長がこのようなコメントをしたのは今回が初めてではなく、2019年のインタビューで仮想通貨を「金のような価値の投機的な店」と述べている。しかし今回、議長はビットコインがドルを置き換えるチャンスはなく、仮想通貨については、一般の人々がリスクを理解する必要があるとして次のように語っている。

変動性があり、マイニング時にはエネルギーが膨大に必要であり、何にも支えられていないという事実もあります。また、ステーブルコインはビットコインのような仮想通貨の改善版ではあるが、現在のグローバルな通貨システムを置き換えることはできないだろう。

ステーブルコインは、ボラティリティが低くなるように設計された仮想通貨で、通常、米ドルなど男フィアット(法定通貨)より安定している傾向がある「法定紙幣」によって支えられている。しかし、民間企業が構築しているプロジェクト、特に現在問題視されているFacebookのDiem(旧Libra)は、金銭的主権に潜在的なリスクをもたらす可能性があるため、世界中の当局を悩ませ続けている。

フェイスブックのリブラ、「Diem」にブランド変更

2020.12.03

CBDCデジタル通貨に対するFRBの見解

連邦準備制度理事会は以前、当NEXTMONEYの特集記事「FRBパウエル議長、中央銀行のデジタル通貨は現金と共存する必要がある」、「FRB議長のパウエル氏、債券利回りに目を光らせる発言でBTCが下落」で報じたように、このような通貨とそのリスクを注意深く監視していると述べたほか、ヨーロッパの議員は、ステーブルコインにはより多くの規制が必要であるとの見解を述べている。

CBDC(政府支援による中央銀行発行の法定通貨のデジタル版)は、仮想イベントで話題になりっている。ここでもパウエル氏は、FRBの進捗状況について尋ねられたが、中央銀行はそのような通貨の調査に時間をかけていると述べたほか、デジタル通貨発行については、プロジェクトを急ぐ必要はないとの見解を示している。議長は、FRBの現在について、決定を下そうとするモードではないものの、世界有数の準備通貨としてのドルの重要な役割を考えると、FRBには中央銀行デジタル通貨(CBDC)のコストとメリットを理解するという「最先端を行く義務」があると語っている。なお、パウエル議長は、仮想通貨の変動性は、通貨の基本機能である価値を保存する能力を損なうことから、FRBは暗号通貨ではなく“暗号資産”と呼ぶことを好むと述べている。

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