金はインフレヘッジとして失敗か
世界最大の資産運用会社として広く知られるBlackRock(ブラックロック)のエグゼクティブであるラス・ケーステリッヒ(Russ Koesterich)氏が、イエローメタルや他のETFからビットコインへの大規模な流出の中で、金はインフレヘッジとして失敗していると述べたことが分かった。
NEXTMONEYの特集記事「世界最大の資産運用会社BlackRockがビットコインに目を向ける」で報じたように、CNBCのニュース番組である「SquawkBox」のインタビューで、ビットコインに手を出し始めたと語り、同社が仮想通貨に目を向けたことが分かったばかりだ。
金相場は誇張されていた!?
ケーステリッヒ氏は、BlackRockのグローバルアロケーションファンドのポートフォリオマネージャーとして活躍している人物で、金がインフレに対する実行可能なヘッジとしての地位を証明できていないと信じている。一方、資産の価格は過去6カ月で11%以上下落しており、同氏は次のように述べている。
インフレをヘッジする金の能力はやや誇張されています。それは非常に長期であり、何世紀にもわたって誇張されてきました。妥当な価値ある市場ですが、ほとんどの投資期間に渡って誇張されてきたことから、信頼性が低くなっています。
2020年に1オンスあたり2,100ドルという史上最高値を更新して以来、金は着実に減少している。
田中金属工業「年次価格推移」より画像引用
田中金属工業の「金価格推移」によると、執筆時点の3月12日21時30分時点での金の小売価格は、1グラム6,682円で取引されている。
中金属工業「日時価格推移」より画像引用
現在の金のパフォーマンスの低さの裏側にはビットコイン(Bitcoin/BTC)の存在があり、これは年初からほぼ90%増加に値する。
CoinMarketCapより画像引用
ビットコイン急騰で、続々と市場に機関投資家が流れ始め、一部の投資家がビットコインのために貴金属を投棄していることは徐々に一般消費者にも浸透し始めている。Bloomberg(ブルームバーグ)のシニアアナリスト、マイク・マッグローン(Mike McGlone)氏は以前、投資家はビットコインのために金を投棄していると述べている。また、BlackRockはビットコインについていくつかの肯定的なコメントをしており、近い将来に仮想通貨への投資を示唆しているとみられる。