テザー(Tether)に対する身代金要求の脅迫が発覚
ステーブルコイン発行者であるテザー(Tether)社が、500BTCの身代金を要求されていたものの、支払いを拒否し、支払い期限も既に過ぎたことを明らかにした。
Today we also received a ransom demand for 500 BTC to be sent to bc1qa9f60pved3w3w0p7snpxlnh5t4uj95vxn797a7. The sender said that, unless they receive the BTC by tomorrow, they will leak documents to the public in an effort to “harm the bitcoin ecosystem.” We are not paying. 2/5
— Tether (@Tether_to) February 28, 2021
ハッカー側は、テザー側に対して500BTC、約26億2,000万円相当の身代金を、指定されたアドレス[bc1qa9f60pved3w3w0p7snpxlnh5t4uj95vxn797a7]に送信しない限り、USDT発行者に対し、Tetherに属すると思われる高機密性文書をオンライン上にて公開すると脅迫している。また、脅迫者側は同社に対し、3月1日迄に支払う様迫ったと明かされているが、この支払いを拒否するとツイッター上で述べている。
テザーへの脅迫の詳細
2020年2月28日、身代金要求がテザー社に送られ、脅迫者側は、身代金が支払われなかった場合に「ビットコインエコシステムに害を及ぼす」情報を公開するとテザー社を脅迫した。
しかし、同社は身代金を支払わないことを選択。ツイッター上で「私たちは支払っていません」と述べている。テザー社が、今回の同社への脅迫が基本的な恐喝の試みなのか、それともテザーとより広い仮想通貨コミュニティに危害を加える試みなのかについては現段階で不明だと述べ、次のように語っている。
いずれにせよ、テザーに危害を加えようとしている人々はますます必死になっている。
同社はその後、恐喝未遂について法執行機関に報告し、これらの調査を全面的に支援すると表明している。
テザーが抱える問題
テザーは先週、身代金要求に対する問題以外にも問題を抱えている。
NEXTMONEYの特集記事「Tether(テザー)社とBitfinex社がNYAGと和解|ビットコイン業界にとって前向きな一歩」で報じたように、2月23日(日曜日)、ニューヨーク州司法長官はテザーに対し、ニューヨークでの取引を停止するよう要求。その後テザーとビットフィネックス(Bitfinex)の両方に1,850万ドルの罰金を科すことで一応の解決となったが、レティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官は次のようにコメントしている。
ビットフィネックスとテザーは、計画を継続し、収益を保護するために、無謀かつ違法に巨額の経済的損失を隠蔽しました。
テザーは今後、事業内容および運営機能に関する定期的なレポートの提出をすることが求められているほか、資産の公表や準備金として保有する資金の明確な詳細を提供しなければならないという。