米SEC会長、従来の「非効率」決済がビットコイン成長の要因

米SEC会長、従来の「非効率」決済がビットコイン成長の要因

米証券取引委員会(SEC)のJay Clayton(ジェイ・クレイトン)会長は19日、米ニュース通信社CNBCの番組SquawkBoxに出演した際、昨今、急激な成長を遂げているビットコインが「証券」ではないことを強調し、ビットコインの台頭が非効率な決済メカニズムに関係していると言及した。

クレイトン氏は、CNBCの番組内でビットコインが証券ではないことを繰り返し発言し、現在のビットコインについて「現在の国内外における伝統的な決済メカニズムの“非効率性”がビットコインの成長を後押ししている」と発言。しかし、ビットコインの普及が進むにつれ、決済手段としての規制がさらに強まる可能性があることに警告している。

私は、これが成熟していくのを見ることになると思いますし、決済手段としての規制がさらに強化されると思います。

ジェイ・クレイトン会長は、米国および米国に関連した仮想通貨関連サービスを規制する米証券取引委員会(SEC)の会長を務めているが、今月17日のSECの公式発表によると、クレイトン会長は2020年末で辞任することが分かっている。

番組の司会者であるAndrew Ross Sorkin(アンドリュー・ロス・ソーキン)氏は最近、JpMorganのCEOであるJaime Dimon(ジェイミー・ダイモン)氏にもインタビューしており、その中でダイモン氏は、クレイトン会長にビットコインに対する姿勢について「彼の好みではない」と批判的なコメントを述べており、政府の黄瀬に懐疑的であることを明らかにしている。

私の経験では、政府はその気になればいつでも好きなように規制することができます。ビットコインは2000億ドルの価値があるし、ビットコインがどんどん大きくなれば、規制されるだろう。

米SECのビットコインを「証券」と見なす基準とは

確かにクレイトン会長はビットコインをはじめとする仮想通貨を厳しく管理している。実際にクレイトン会長が在職中に9つのビットコインETFの承認を拒否しており、仮想通貨の成長と規制のバランスが合っていないことが問題視されている。

しかし、クレイトン会長はこれまで、繰り返しビットコインについて「証券ではない」ことを公の場でコメントを残しており、今回の番組内でも「規制が進化する一方で、ビットコインが成長し続けると信じている」と述べており、SECがビットコインを規制していない状況を、次のように説明している。

まあ、こう言ってしまおう。我々は証券としてビットコインを規制していません。人々がベンチャー企業の資金調達のために仮想通貨を証券として使用する場合、SECはそれを規制します。ICOブームで起きていたことは、人々がICOを利用して、基本的にSECに登録せずに有価証券の公募を行っていたことでした。

現時点で、米SECがビットコインを規制していないとしても、米国合衆国内国歳入庁(IRS)や米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)のような他の政府機関は、仮想通貨や税制、関連サービスに関して既に、様々な措置を検討しており、今後、規制を確立する可能性がある。

米SECがビットコインを証券として扱わず、規制していないことは以前から分かっているが、クレイトン氏は、ビットコインが実際に何であるかについて、これまで言及したことがなかったため、今回の発言はSECの代表としてどのような考えなのか知るいい機会になった。