レバノンがデジタル通貨発行へ
レバノンが数年の計画を経て、2021年にデジタル通貨を発売すると発表した事を地元メディアが報じた。
レバノンの地元メディアの内容によると、デジタル通貨はレバノンの銀行システムへの信頼を促進するように設計されているBDL(=BANQUE DULIBAN)新たなレバノン決済システムとのこと。レバノンがデジタル通貨を検討したのはこれが初めてではない。今年の4月にはレバノンのリアド・サラメ(Riad Salameh) 中央銀行総裁は、次のように述べた。
レバノンにとってより手頃な支払いを行うために中央銀行のデジタル通貨を立ち上げる
過去にレバノン中央銀行は、デジタル通貨ではなく、現地で使用するために設計された“仮想通貨”、「仮想レバノンポンド」の発売を発表したと報じられたが、当時、テロ資金供与ではなくマネーロンダリングに関する懸念が蔓延していた。この件に関してサラメ氏は、以下のように述べている。
紛争地帯ではこれらの通貨の交換メカニズムが存在しないため、仮想通貨はテロ資金供与よりもマネーロンダリングに使用されることが多かった
レバノンは、仮想通貨とデジタル通貨に対する公式な警告を発した中東初の国で、サラメ氏は、レバノンポンドに裏打ちされたデジタル通貨の作成を検討していると主張しつつ、当時、仮想通貨が将来的に主要な役割を果たすことを理解したうえで、必要な措置を講じ、サイバー犯罪に対する保護システムを開発すしなければならないと語っている。
レバノンポンドなどの既存通貨のデジタル形式は、現実世界とデジタル世界の架け橋として機能し、口座開設後に物理的なお金からデジタル通貨に移行する可能性をすべての人に提供することで、銀行の包摂を改善する。長らく物議を醸しているテザーのように、通貨または既存の資産との同等性が破られ、真剣に監査されたことのないステーブルコインとは異なり、CBDCは自国通貨から切り離すことはできない。
規制され一元化されている場合でも、デジタル通貨は、管理当局が十分に認識していると言うリスクを引き起こす可能性があるとレバノンの地元メディアは指摘している。
中央銀行がデジタル通貨の出所を確認することでマネーロンダリングのリスクを抑えることができるとレバノンのメディアは報じており、今後レバノン政府がどのような舵を握るのか、レバノンの動向を注視することになりそうである。