ETHコア開発者、イーサリアム2.0の初期重要フェーズの提案を提出

ETHコア開発者、イーサリアム2.0の初期重要フェーズの提案を提出

ETHコアの開発者であるDanny Ryan(ダニー・ライアン)氏が、イーサリアム2.0「Serenity」の初期重要フェーズ(フェーズ0)の提案を提出したことが分かった。

「Serenity Phase 0(セレニティ・フェーズ0)」と呼ばれる今回の提案は、コンセンサスメカニズムとしてPOS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行するための第一段階となる「Beacon Chain(ビーコンチェーン)」が実装される。「Beacon Chain(ビーコンチェーン)」と呼ばれる新しいPOSチェーンは、今後数か月でイーサリアムの既存のネットワークとともに構築される予定のようだ。

POSとは、ビットコイン(bitcoin/BTC)などで採用されているコンセンサスメカニズムであり、仮想通貨を保有している量によってブロック承認の割合を決定するものとなっている。イーサリアム(Ethereum/ETH)はこれまで、POW(プルーフ・オブ・ワーク)というCPUの計算能力に応じてブロック承認が与えられるというコンセンサスメカニズムを利用していたが、これにはマイニングなどに必要な電気代が膨大になってしまうなどのデメリットがあった。

今回提案された「セレニティ・フェーズ0」はETH 2.0の段階的な6フェーズのうちの1ステージ目に過ぎず、前段階が完了するのは2022年になるとされている。また、この次に控える「セレニティ・フェーズ1」では、シャーディングメカニズムの導入が予定されている。

シャーディングメカニズムとは、データを複数のフラグメントまたはシャードに分割する方法であり、ネットワークの負荷を軽減する効果を持っているとのこと。このシャーディングは、ETH 2.0の開発の背後にある主要な動機の1つであり、イーサリアムが長年抱えているスケーラビリティの問題を解決することが期待されている。

そのほかにもETH2.0では、イーサリアムを基盤として様々なアプリケーションを構築することができる「イーサリアム・バーチャル・マシン(EVM)」の実装が予定されているなど、まだまだイーサリアム は機能面で進化していきそうだ。

現在、ETH2.0は新しいプロトコルをテストするためのサンドボックス環境であるMedallaテストネット内で開発が行われており、ETH 2.0は間もなくSpadinaパブリックテストネットに移行する予定とのこと。ETH2.0の実装の具体的な予定日は決定されていないが、ロードマップでは「年内にローンチする予定」とされておりイーサリアム への期待が高まっている。