仮想通貨取引所ビットフィネックス&テザー社、8.5億ドル以上の資産紛失を隠蔽か!?
国家最高裁判所の控訴部による判決によると仮想通貨取引所Bitfinex(ビットフィネックス)は、数百万ドルの顧客資産を紛失さらには隠蔽した疑いで、ニューヨーク州裁判所から調査が行われるとのことだ。ブルームバーグによると、ニューヨーク州の控訴裁判所は7月9日、テザー社と仮想通貨取引所ビットフィネックスに対して8億ドルを超えるクライアント資産を失ったことに対して、取引所が資金を隠したとして調査を行うとことを明らかにした。
ビットフィネックスとテザー社の両方を運営する親会社iFinex(アイフィネックス)は、その資金はパナマに拠点を置く会社に預けられ、後にさまざまな国の当局によって差し押さえられたと主張。また同社はポルトガル、ポーランド、およびアメリカの政府によって押収された資金を回収するために取り組んでいると以前に述べていた。
ビットフィネックスは顧客と企業の資金、8億5,000万ドルを失ったと主張し、その後に関連するステーブルコインテザーからのお金を使って損失をカバーしたと主張していた。またテザー社はこれまで、特定書類の提出をニューヨーク州裁判所から求められていたが、ニューヨークを拠点としておらず、同州に住むトレーダーにもUSDTを提供していないという理由から特定の書類などの提出義務はないとの主張をしていた。
だがニューヨーク州控訴裁判所は、「ニューヨークのトレーダーはUSDTを保有または使用しており、テザー社の数人のスタッフはニューヨークで仕事をしている」とし、この主張も同様に棄却された。控訴裁判所はその決定において、テザーは商品でもセキュリティでもないという主張を拒否し、ステーブルコインが裁判所の管轄下にあることを確認していた。
一方で、ビットフィネックス本社は香港にあり、英領バージン諸島に登録されているため、ビットフィネックスは州当局の管轄外であり地元の業者には対応していないと主張していた。しかし、裁判所は、iFinexはニューヨークの顧客が2017年1月までビットフィネックスプラットフォームで取引することを許可しており、ニューヨークを拠点としていると考えられるとしてこの主張を棄却している。
これに対しiFineは「裁判所の命令を尊重します。現在のところ、この件についてこれ以上コメントすることはありません」と述べている。