バイナンスCEOのメモ流出で、競合他社からの攻撃が明らかに
世界最大手の仮想通貨取引所バイナンスのスタッフ宛に、同取引所CEO(最高経営責任者)であるCZことジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙長鵬)氏が発信した内部メモを見つけたとThe Blockが報じた。CZ氏がスタッフに宛てたメモには、「私たちの中国の競争相手は必死に私たちを攻撃しようとしている」と題されたもので、中国系の無名競合他社に激怒している様子が分かる。
同氏は「攻撃しようとしている」と強い表現を用いて非難しつつ、Binanceは自己防衛するべきである考えを伝えてある。流出したCZ氏のメモは、英語と中国語で書かれており、信ぴょう性を巡って従業員が確認。CZ氏の書いたメモである事が確認されている。
流出したメモの内容とは?
メモの中でCZ氏は、「専門的ではない方法で私たちを攻撃している」と表現しており、バイナンスのシステムに対してDDoS(Distributed Denial of Service attack=分散サービス拒否)攻撃を仕掛けたうえで、偽バイナンスユーザーを集めて「偽のニュース」を広めたと非難している。
バイナンスと同じく、世界最大クラスの取引量を誇る仮想通貨取引所のHuobi(フォビ)やOKExを含む他の中国系仮想通貨取引所と、バイナンスのライバル関係はこれまでにもみられている。ソーシャルメディアとプライベートグループチャットの両方で、バイナンス共同創設者兼CMO (チーフマーケティングオフィサー)のイー・へー(何一:Yi He)氏は、バイナンスの競合他社が偽のニュースを広めた。不利な情報を広めるためにブラックメディアやフェイクニュースなど、いくつかのメディアに(お金を)支払ってまで取引所を弱体化させようとしていると何度も主張している。
スタッフへのメモの中でCZは、彼らはバイナンスが中国政府と強い関係を持っていないと誤った認識をしており、競合する取引所がバイナンスを攻撃してくることを示唆している。
今回流出が分かったメモで、何が引き起こったのかは明らかではない。しかし、最近バイナンスに対する否定的なニュースが続いており、今月初めには中国の国家メディアCCTVが、依然としてローカルユーザーは「binancezh.com」を通じ、仮想通貨取引できることを容認していると報じている。バイナンスはこれらに対して否定しており、ユーザーのほとんどはエジプトからであると主張している。
今回のこの出来事は、一部の従業員に緊張が走っていたため、CZ氏はバイナンススタッフに対しメモの中で次のように伝えている。
「バイナンスは他人を積極的に攻撃することはありませんが、悪質な競争と攻撃から(防御的な攻撃を含む)絶対に自分自身を守ります。DDos攻撃はきちんと対応しており、あまり心配する必要はない。」