大手証券決済会社DTCCが、ブロックチェーンとトークン実験を開始
2018年以前から様々なブロックチェーン技術の実験を行ってきた大手証券会社DTCCは、新たに2つのトークン実験を開始したことを正式に発表した。
公式発表によると2つのプロジェクトはそれぞれ「Ion」と「Whitney」と呼ばれる予定だが、どちらも資産のデジタル化やトークン化を目指し、官民での市場統合を目指すという。DTCCの社長兼CEOであるMike Bodson氏は今回の取り組みについて「民間市場でのライフサイクルと公共市場の決済プロセスを再考したもの」と述べている。
IonはDTCCの新たなプロックチェーン決済プロトコルだ。分散型台帳技術と資産のデジタル化それぞれの活用方法を明確にすることを目的としており、公共市場でのコストとリスクを削減できるか調査するという。IonはDTCCの概念実証でもあり、中央ネットワークを維持しつつも決済の断片化を防ぎ、DTCCは決済の迅速化というメリットを提供するという。DTCCの国際オペレーション責任者のMurray Pozmanter氏はIonについて以下のように語っている。
「Ionは、DLTやトークン化証券などの新機能を活用した決済の加速化に関する価値提案を業界と協力して推進し、DTCCがクライアントや業界に付加価値を提供するためにこれらの技術をどのように展開するのが最善かを学ぶことを目的としています。」
一方Whitneyはプライベートマーケットの証券をサポートする資産のトークン化と、デジタルインフラの可能性を探ることに焦点を当てたプロジェクトだ。DTCCは公共市場の効率性を認めた上で、多くの操作機能が以前手動で行われており、利用できるデジタルspリューションが民間市場で享受されていないと指摘している。DTCCのビジネスイノベーション担当兼マネージングディレクターのJennifer Peva氏は以下のように語っている。
「プライベートマーケットは自動化のレベルを上げる準備ができており、数十年にわたってパブリックマーケットをサポートしてきたインフラストラクチャの多くが不足しています。 Whitneyは、まったく新しいソリューションをゼロから開発する刺激的な機会を提供します。」
IonとWhitneyどちらのプロジェクトも現在実験段階にあり、プロジェクトを今後進めていくかどうかは業界とのさらなる分析やフィードバックに従い決定されるという。