ECBがデジタルユーロの調査に関する2回目の進捗報告を発表
12月21日(水曜日)、ECB(European Central Bank:欧州中央銀行)は、デジタルユーロの調査に関する2回目の進捗報告を発表し、ECBはユーザーのデジタルユーロウォレットを民間銀行に任せる意向であることが分かった。
欧州は独自のデジタルユーロのリリースに向けて準備を進めているものの、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)が仮想通貨分野であまり注目を集める可能性は低く、ECBのビジョンには自己管理の余地はない。ECB進捗報告で、デジタルユーロがどのように機能するかについてのビジョンを説明。ECB と加盟国の中央銀行で構成される”ユーロシステム”は、デジタル ユーロの発行と決済を担当する。ECBは、ユーザーデータの処理におけるその役割は最小限であるとして次のように語っている。
ユーロシステムは、個々のエンドユーザーがどれだけのデジタルユーロを保持しているかを推測することも、エンドユーザーの支払いパターンを推測することもできません。
デジタルユーロのユーザーへの配布は民間企業の手に委ねられる計画
デジタルユーロをユーザーに配布することは、民間企業の手に委ねられる計画であり、信用機関や決済サービスプロバイダーなどの仲介者が、ユーザー向けのすべての取引を処理していくとのこと。
そのため、現行システムでは銀行と同様の役割を持つことになり、仲介者は、「デジタルユーロアカウントまたはウォレットの開設と、関連する支払い操作」を担当すると進捗報告は述べている。仲介者は、デジタルユーロアカウントまたはウォレットの開設と関連する支払い操作を担当。さらに、KYC(顧客確認)およびマネーロンダリング(資金洗浄)対策チェックも担当する予定だ。
デジタルユーロは2023年までにローンチか
ECBは、ユーロ圏の国々の中央銀行とともに、2021年10月にデジタル ユーロの調査を開始している。
調査は 2022 年末までに完了する予定であり、すべてが計画どおりに進めば、ユーロシステムは2023年の秋に決定を下すとみられており、その時点でECBは、デジタル通貨の本格的な立ち上げを開始する可能性がある。
ECBは、現在デジタル通貨を検討している世界中の何百もの中央銀行の1つにすぎず、中国やカナダなど他国ではすでにパイロットプロジェクトが開始されている。中国は、普及を促進するためにデジタル人民元で3,000万ドル(約40億円)をエアドロップするまでに至るほど、活発な動きでCBDC市場における世界をけん引している。