フィデリティ(Fidelity)、ステーブルコインのローンチを計画

フィデリティがステーブルコインのローンチを計画

米・ボストンに本拠を構え、投資信託の販売および運用を手掛けるフィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)は、米ドルに連動するステーブルコインを立ち上げ、デジタル資産市場での存在感をさらに高める予定だ。

日本語訳:
6兆ドルの資産運用会社フィデリティが仮想通貨ステーブルコインを立ち上げる。

5兆ドルの資産運用大手フィデリティ・インベストメンツは、独自ステーブルコインを立ち上げる準備を整えており、デジタル資産分野への進出における大きな節目となる。大手経済紙フィナンシャル・タイムズの2025年3月25日(火曜日)付けの報道によると、伝統的な投資サービスで知られる同社は現在、米ドルにペッグされたステーブルコインのテストは最終段階にあり、仮想通貨市場内で現金として機能するように設計。同社は、今後2カ月以内に最終決定される可能性のある米国のステーブルコイン法案に向けて準備を進めており、同社の独自ステーブルコインは、同社専用デジタル資産部門を通じて管理されるという。

デジタル金融における戦略的動き

ステーブルコインへの関心の高まりは、真空中で起こっているのではなく、政治が重要な役割を果たしている。

同社のステーブルコイン分野への参入は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領政権下の米国の政策立案者が仮想通貨とステーブルコインへの支援強化を声高に表明しており、ステーブルコインは同政権の金融戦略の中心的焦点として浮上。スコット・ベサント(Scott Bessant)米財務長官は最近、この姿勢を強化し、ステーブルコインを活用して米ドルの優位性を維持する政府の計画を強調し、次のように述べている。

われわれは、米国を世界の主要な準備通貨として維持するつもりであり、そのためにステーブルコインを使用する。

トランプ大統領は「合法かつ正当」なドル担保ステーブルコインの開発を公然と支持しており、8月までに規制法案が可決されるよう働きかけている。デジタル資産チームが主導する同社のステーブルコインは、仮想通貨市場で現金のように機能するように設計されているが、これは単なる小さな実験ではなく、トークン化された金融へのより広範な取り組みの一部である。トランプ大統領が仮想通貨を政治的に注目を集めている今、同社にとってこれ以上ないタイミングだ。

ステーブルコイン市場が変化を経験

ステーブルコインとRWA(実世界の資産)は最近、目覚ましい成長を遂げており、時価総額はそれぞれ2,240億ドルと170億ドルを超え、今年は10%と17%成長している。

反対に、仮想通貨全体の時価総額は13%減少しており、市場の混乱増大と、米国における規制の明確化により、ボラティリティ(※価格変動差)が低いステーブルコインへの移行が進んでいる。同社による今回の動きは、デジタル資産への同社の重点の高まりを反映。同社は、5月末までに稼働する予定の米国デジタルマネーマーケットファンドの立ち上げも申請。このファンドは、トークン化された金融の提供を拡大しているブラックロック(BlackRock)やフランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)などの金融大手と直接競合することになる。

フィデリティはまだステーブルコインのテストの初期段階にあるものの、報道によると正式な立ち上げは間近に迫っているとみられ、成功すれば、同社はステーブルコイン市場における他の主要金融機関に加わり、リップル(Ripple)のRLUSDや現在の市場リーダーであるテザー(Tether/USDT)と並ぶことになる。

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