前CFTC議長、デジタルドル財団を設立 

前CFTC議長、デジタルドル財団を設立

米商品先物取引委員会(CFTC)の前議長であるクリストファー・ジャンカルロ(Chris Giancarlo)氏は、アクセンチュアと協力してデジタルドル財団(Digital Dollar Foundation)を設立した。財団は、潜在的な米国中央銀行のデジタル通貨の設計や研究、推進を目的としている。

またこれらの設計や研究を行うため、経済学者、弁護士、学者、技術者などを招集。新技術やシステムをテストするためのフレームワークを作成する予定だ。また最終的にテキストメッセージのような、スムーズなデジタルドル取引を実現することを目指している。

ジャンカルロ氏は、これからの未来に法定通貨が十分に機能しないことを前提に、デジタルドルの将来性について次のように述べている。

「デジタル21世紀はアナログの準備通貨では十分に機能しません。デジタルドルは、グリーンバックの将来性を保証し、個人やグローバル企業がスペースや時間に関係なくドルで支払いできるようにするのに役立ちます。」

アクセンチュアはこれまで、カナダ銀行やシンガポール金融庁など、中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトに協力し、それらに関する実績を持っている。アクセンチュアのマネージングパートナーであるデビッド・トリート氏は、「会社が実際の経験と新しい技術的能力の両方を組み合わせてプロジェクトを推進するためにいくつかの利害関係者を結集する」と述べている。

米国では一部ではあるが、デジタルドルへの関心が高まっている。今月19日、米ニューヨーク州議員らとコーネル大学の教授が、独自のデジタル通貨の導入を検討していることが報じられた。提案書では、通貨はデジタルドルではなく、デジタル通貨という領域の「地域限定通貨」として機能し、P2Pの支払いプラットフォーム「Inclusive Value Ledger」によって運用が構想されている。