Libraがエコシステムの改善に向けホワイトペーパーの内容を一部修正

Libraがエコシステムの改善に向けホワイトペーパーの内容を一部修正

Facebookが主導となって開発を進めているLibraだが、全面的に公開しているホワイトペーパーの内容が、密かに更新されているようだ。内容としては、ホワイトペーパー公表時から脱退の表明があった企業の修正以外にも、初期投資家に支払われる配当に関する情報が削除されているという。

現在Libraは米金融当局や各国から非難の声が上がり、四面楚歌の状態にある。また、追い打ちをかけるようにPayPalやVisa,Mastercardなどの金融決済企業は相次ぎLibra協会からの脱退を表明しました。各企業はLibraが政府からの要求や規制に対しての基準をクリアできるのかという点に注目しており、今後もLibra協会への参画を視野に入れたうえで行動することを示唆しているので、必ずしも後ろ向きな状況ではないようだが、全体的な仮想通貨価格下落と共にLibraへの注目も一段落したようにも思える。

そんな中、Facebookサイドから動きがあったのが今月の10日で、ジョージタウン大学法律センターのクリス・ブルーマー教授が、自信の創設した「フィンテックポリシー」のサイト上で発表したのだ。

2019年6月に公表された最初のホワイトペーパーでは、Libraの裏付けとなる資産である、リザーブ資産に付与される利子でシステム経費をまかなうことでエコシステムを健全に維持していきながら、投資家に配当を支払っていくことを明記していたが、新しく更新された内容によると、その内容を表していた一文が削除され、下記の文章が追記されていた。

「リザーブ資産に付与される利子はシステムの経費をまかなうために使用します。これにより低額の取引手数料を保証し、さらなる普及と成長を後押しします」

上記の内容に変更した理由としてブルーマ教授によると、リブラ協会に以下の思惑があったことが考察される。

  • 消費者目線で考えたときにリザーブ資産の安定性を考慮し、余分なインセンティブ設計を無くし
    エコシステムの保全を第一に考えたから
  • 有価証券と差別化するため

Libra協会としては、ひとまず会員の利益よりエコシステムの構築を優先的に考えての判断だろう。
近年では、Ethereumをはじめ多くの通貨でPoS(プルーフオブステーク)ステーキングによるネットワークの運用方法が主流になりつつある。これらのプロジェクトではネットワークにステークされた通貨の量を基準に報酬などが投資家に還元される仕組みだが、Libra協会が今後投資家に対しての利益配分をどのように行っていくのか注目していきたい。

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外資系の医療機器、エネルギー関係の企業で5年間営業として従事した後、今後は個人にスポットが当たる時代だと考え、ブロックチェーンの持つトークンエコノミクスの世界観に感銘を受け、少しでも情報源として役に立てるよう日々発信しています。 現在は 実際にコードを書いたり、 イベントに足を運ぶなど精力的に 活動を行ない情報を発信しています。