英国の金融規制当局が、暗号資産取引所BITMEXに無許可営業で警告

英国の金融規制当局が、暗号資産取引所BITMEXに無許可営業で警告

イギリスの規制当局であるFCA(金融行為監督機構)が2020年3月3日、100倍レバレッジで有名な暗号資産取引所BITMEXに対し、許可なく、金融サービスの提供を行っているとして、警告を出した

英国内で金融行為を行う場合、必ずFCAの許可が必要とされ、金融サービス業者として登録しなければならない。しかし、BITMEXは、展開している事業がイギリスの規制に該当するものでありながら、「許可なしで英国で金融サービスあるいは製品を提供している」(FCAの警告)という。FCAは投資家や消費者に注意を呼び掛けている。

一方で、今回の警告に対し、BITMEX側から特段の声明は出ていない。

これまでにもBITMEXは2019年7月、米商品先物取引委員会(CFTC)から、登録がない状態で米国のトレーダーに取引を許可しているかどうかの調査を受けた。同時期に、破滅博士として知られるニューヨーク大学のヌリエル・ルビーニ教授が、規制されていないことに対し「公然と組織的に不正行為に加担している」から強烈な批判を受けるなどし、調査内容は注目を集めたが、まだ公表されていない。

金融庁の認可が必要で、取引所のライセンス制度を設ける日本でも似たような事例がある。直近では、同庁が仮想通貨取引所CROSS Exchangeの運営会社に警告を発出。「日本居住者向けに無登録で仮想通貨交換業を行った」として自社サービスを日本居住者向けに喧伝していたことが問題視されている。

なお、取引所のライセンス制度に関しては、2017年4月に制定した改正資金決済法に明記。法改正以降、国の許可を得ることなく、暗号資産交換業を行うことは違法とされている。