ノーベル賞受賞者の助言を受け、仮想通貨を発行

ノーベル賞受賞者の助言を受け、仮想通貨を発行

英国に拠点を構えているブロックチェーン企業Sagaが、ノーベル賞受賞者のアドバイスを受け仮想通貨を発行した。Sagaの諮問委員会には、ノーベル経済学賞を受賞したマイロン・ショールズ氏がいる。ショールズ氏はスタンフォード大学の現役教授であり、ブラック-ショールズ方程式の起案者でもある。ショールズ氏だけでなく、顧問には元JPモルガン・チェースのJacob Frenkel氏やVIXボラティリティ指数でリーダーシップを発揮したDan Galai氏もおり、著名な経済学者や有識者が名を連ねている。彼らの助力を得ながら、規制当局が完全に合意できるフェイスブックのリブラに対抗した新たなグローバルステーブルコイン(GSC)を目指す。

Sagaが仮想通貨をリリースしたのは今週火曜日。法定通貨のバスケットに裏付けされたSGAトークンを発行した。いっぽう、リブラとは明確に異なる点も存在する。それは、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)と同様のバスケットを構成することだ。米ドルが特に重点的な割合を占める他、ユーロ、中国元、日本円、英国ポンドなどで構成される。加えて、Sagaは単なる発行元としてのみ機能し、トークン自体の管理は行わないとのこと。Sagaトークンはウェブサイトでの購入が可能な他、仮想通貨取引所Liquidでも取引することが可能だ。

Saga創設者、健全な通貨発行を目指す

Sagaの創設者でもあるイド・サデ・マン氏はCNBCのインタビューに対して、「他のプロジェクトのように、支払いレイヤーの管理者にはなりたくありません」と述べた。また、「通貨の健全な発行だけを目的としており、保管や支払いに関してはパートナーシップを進めていきたい」と付け加えている。

Sagaはステーブルコインのため、ビットコインのような激しいボラティリティは存在しない。また、この価値を安定させるために、スマートコントラクトの技術を活用するとサデ・マン氏は述べている。英国からのクロスボーダー決済における、補完通貨として機能することを目指すとのこと。

銀行クラスのコンプライアンスでAMLにも遵守

フェイスブックのリブラが批判の対象となっているのは、違法な取引で利用される懸念があるからだ。この点に関してもSagaでは徹底しているようで、銀行クラスのコンプライアンスでAMLに務めるとしている。また、リブラはリブラ協会に権利が集中していることを指摘し、Sagaでは通貨の保有者が運営のための意思決定に参加できるようにすることで、権利集中しない仕組みも構築するとサデ・マン氏は述べている。