仮想通貨リップル、0.2%が違法送金と判明|Ellipticがトランザクションを監視

仮想通貨リップル、0.2%が違法送金と判明|Ellipticがトランザクションを監視

仮想通貨のトランザクション監視ツールを開発・提供するEllipticが20日、リップル社のXRPトランザクション監視をサポートすることを発表した。仮想通貨関連会社と金融機関が初めて、企業レベルのソリューションを使い、XRPトランザクションを体系的に選別できるようになる。

今回の発表により、Ellipticプラットフォームは、時価総額で、全ての仮想通貨の85%以上をサポートするようになった。またサポートに際してXRPの取引などを調査した結果、XRPトランザクションの0.2%未満が違法であり、違法送金の総額は約400億円に上ることが判明。違法送金されたXRPは窃盗や詐欺、盗難されたクレジットカードの取引などに用いられたとされる。

Ellipticのチーフサイエンティスト兼共同設立者であるトムロビンソン博士は、XRPの違法送金に関する調査を実施したことにちなみ、次のようにコメントしている。

「我々は、XRPなどの仮想通貨の犯罪的な利用が進むにつれ、違法行為に光を当てることに取り組んでおり、金融機関が仮想通貨エコシステムに関与するための必要な自信を与えている。XRPは、アジア太平洋地域の金融市場で勢いを増しており、世界的に仮想通貨規制の枠組みが急速に発展している。そのため、当社のアンチマネーロンダリング(反資金洗浄)ソリューションは、アジア太平洋のみならず、世界での採用を促進するのに役立つ。」

現在、XRPのサポートは、正式版がリリースされる前のサンプルにあたるβ版。12月の最初の週に、正式版のサポートが始まる。Ellipticは今後も数ヶ月に渡って、クライアントと規制当局との対話に基づいて優先順位を付け、さらなる仮想通貨のサポートを追加し続ける計画だ。

仮想通貨XRPのトランザクション量、過去最高となる404万を突破

2019.11.25

仮想通貨XRPを監視することによる影響

XRPの違法送金は0.2%とわずかであることがわかったが、XRPがターゲットと見込む金融市場にとっては深刻とみられる。XRPの供給量の6割を保有するリップル社はここ数年、XRPを使うクロスボーダー送金の決済サービス「xRapid」などのソフトウェアを銀行に売り出しているからだ。

リップル社が運営するXRPのトランザクションは安全で、規制を受けた機関を通じて行われる一方で、違法組織の介入が発生する可能性はゼロではない。同社は2015年に金融犯罪取締ネットワークからアンチマネーロンダリング不履行で罰金を受けた過去もあり、XRPを使った送金のリスクに注視しながら、事業運営を進めていくことが求められるだろう。