2020年米大統領候補、「管轄権の対立」が仮想通貨の枠組みを遅らせる
2020年米大統領選に出馬を表明した民主党候補のアンドリュー・ヤン氏は、仮想通貨に関する「国家規模での枠組み」について言及した。ヤン氏は仮想通貨やブロックチェーンに前向きな考えを示している著名人の一人である。
今回、発表されたレポートの詳細にてヤン氏は、今後の同国における新しい技術への規制が遅れいないよう、「政府は先見の明をもち、最新の技術開発について情報を得る必要がある」と説明。さらに、イノベーションを制御する必要はないが、イノベーションが制御能力を超えてはならないと述べた。
そして現時点の米国における現状の問題点を、2つに分類して指摘した。
- デジタル通貨(仮想通貨)
- ゲームのルートボックス
まずはじめに指摘したのは、世界各国にて規制の方針を進める「デジタル通貨(仮想通貨)」の分野である。冒頭での発言の内容は、主に仮想通貨の分野に関する指摘である。ヤン氏はこの2つの問題点について次のように述べている。
「両方とも、多くの議員が技術的な側面を理解するために盲目であるか、完全に準備が整っていない分野です。これは、両方の分野で規制のない市場を作り出しています。規制の欠如は、さまざまな影響を及ぼしています。」
実際に米国に目を向けてみると、多くのユーザーが詐欺案件に晒されており、規制で先を行く国々は仮想通貨市場で世界をリードしている。また、米国が世界基準の規制に追いつくには、リードしている国の規制に従う必要がある。昨今、急激に成長する仮想通貨市場は大量の価値と経済活動を代表しており、政府の対応を上回っている状況だ。
これらの最先端通貨を規制する手段としてヤン氏は、現状の仮想通貨規制の枠組みに関する「管轄権の対立」を整理するべきだと考えている。
ビットコイン・仮想通貨は「証券・商品・財産・通貨」?
現在、連邦政府や様々な部門では、ビットコインやイーサリアムをはじめとする仮想通貨を財産、商品、証券と見なしており、その考えは異なっている。この基本的な考えを統一しないことには、米国における仮想通貨の規制は解決することができない。実際に最近では、米証券取引委員会(SEC)の投資管理スタッフ部門によると、「ビットコインは有価証券ではない」と、改めて見解を示したことが報道された。しかし、その他の仮想通貨については不明なままである。
さらに今年10月には、米国最大の仮想通貨取引所コインベースが、特定の仮想通貨または、仮想通貨の開発、使用に影響する可能性があるかを判断する目的として「Crypto Rating Council(CRC)」と呼ばれる、評価団体を設立したことを発表している。
米国における仮想通貨の規制については、2019年からフェイスブックの仮想通貨Libra(リブラ)の発表によって、急激に進められているものの、明確なルールは設定されていない状況であり、今後のスピード感が大切になるだろう。