露マイニング企業、世界の20%のビットコインを採掘予定
2019年10月29日、今後採掘されるビットコインの20%が、ロシアのマイニング企業Russian Mining Company (RMC) によって行われる可能性があると地元メディアが報じた。現在ロシアで行われているBTCマイニングは世界の10%を占めている。
報道によれば、RMCはフィンランドの東に接するロシア共和国のひとつカレリア共和国にあるアルミ工場Nadvoitsy Aluminum Plant(NAZ)にマイニング用機器を設置するという。工場はロシアが所有しているが、2018年4月に米国が行った制裁実施以降、米国向けの製品を製造しなくなったため、同年8月に工場の機能を停止した。
プロジェクトと経緯
RMCのCEOでロシアのインターネットオンブズマン(監視官)でもあるDmitry Marinichev氏は「現在この工場は採算が取れず、供給される電力は実質使用されていない。工場近くの町に住んでいる人々は仕事もない。私たちのアイデアは工場を変革し、コンピューティングパワー(電力のように演算能力が供給されるシステム)をサービスとして販売することだ」と述べた。
RMCはITサービス(クラウドサービス)の提供を考えているが、これは仮想通貨マイニング、ニューラルネットワーク(脳神経細胞を模倣した計算法)やAIの開発を行う人々の関心を集めるだろう。
RMCとは
Radius GroupのMarinichev氏と、マイニング用チップの開発を行うMulticlet、SmartHeat、Goodwinなどによって設立された。RMCは2017年にICOを行い、4,300万ドル(約47億円)を調達。1万ドルの予定には届かなかったが、この金額はロシア国内では最大となった。
RMCは2017年にビットコインとイーサリアムをマイニングする2つのプールを設立。その後仮想通貨の価格が暴落し、モスクワの高い電気料金に対して採算が取れなくなったため、現在ではマイニングを停止。このため、RMCは今年終わりまでにはプールを再開したいと考えている。
Cryptonexとの提携がカギ
今月24日にはRMCは英国で登録されたCryptonexと提携を結んだ。この提携により、世界で採掘されるビットコインの20%のプールパワーを受け取れると期待されるのだ。
しかしロシアのブロックチェーン協会(RAGIB)の会長は「すべてが電気コストにかかっているが、マイニング参加者はすでに世界中にいる。ロシアのプールでは総量の5~7%に焦点を当てることが望ましい」と述べ、20%という数字には懐疑的だ。
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