SEC会長、「証券法に反する露骨な仮想通貨は“減少傾向”にある」
米国の仮想通貨を取り仕切る米証券取引委員会(SEC)のJay Clayton会長は、仮想通貨市場にて該当する証券法の「露骨な違反」が減少していると発言した。ワシントンDCのFintech Week 2019の一環として開催された「Blockchain Infrastructures」での発言は、仮想通貨を使用した証券法に則っていない資金調達や、プロジェクトなどを指す。
実際に仮想通貨市場のニュースでも、SECの証券法に違反する仮想通貨プロジェクトが報道されていない。
Jay Clayton会長によると、SECは2017年から2018年にかけて急激に市場拡大したICO(イニシャル・コイン・オファリング)ブームの際、多くの仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトは、投資家に対するトークンの説明や、投資家に関する情報を確認せず、法定通貨を要求し、調達できる状況であったと述べた。実際に2017年から2018年の仮想通貨市場は、誰でもトークンを発行し、多くの投資家が被害にあっていた。その時の仮想通貨市場についてJay Clayton会長は、次のように投資家の行動を分析している。
「証券法や、ウェブサイトを見た人は誰もいないと思う。」
仮想通貨規制に自信を示す
そしてJay Clayton会長は、これまでの仮想通貨市場を振り返った後、現状の仮想通貨市場について、「今では投資をするのが適切だと思うだろう」と投資の助言までしている。この発言の背景には、これまでSECが行ってきた仮想通貨に関する規制への大きな自信の表れだろう。
SECについては最近、テレグラムの仮想通貨プロジェクト(TON)を「証券」に該当する発表。それに伴いテレグラムは、仮想通貨GRAMとプラットフォームの立ち上げを延期している。ICOブーム時に大量の資金調達を完了したTONプロジェクトは現在、投資家に対して延期を承認してもらう文書を送付しており、証券に対する対応に追われている状況だ。