韓国規制当局の規制に対して仮想通貨取引所が抗議
韓国の仮想通貨取引所は、同国の金融監視機関による、仮想通貨取引所でのクロストレーディング活動を禁止したほか、仮想通貨取引所に対し、顧客預金の少なくとも70%をコールドウォレットに保管するよう命じたことが分かった。
韓国FSC(金融サービス委員会)は、韓国のデジタル通貨交換に関する規制を強化し続けており、クロストレーディング活動を禁止。さらに規制当局は仮想通貨取引所に対して、顧客預金の70%をコールドウォレットに保管するよう命じた。これは、いくつかの小規模なプロジェクトが悪用され、資金が流出した場合に備え、これらの資産をハッカーから保護することを目的としているとのこと。
仮想通貨取引所を動揺させたクロス取引禁止措置
今回分かった韓国規制当局による複数の規制強化に対し、同国の仮想通貨取引所を最も動揺させたのはクロス取引の禁止とみられている。
クロス取引は、注文帳に反映することなくブローカーまたはプラットフォームによって売買注文がマッチングされる慣行で、ほとんどの法域でこの慣行は不正操作の扉を開くため、違法と位置付けられている。また、非合法化されていない場合でも、それを使用する方法と時期には制限が設けられている。韓国取引所では、FSCがそれらを無視していたことから、しばらくの間この慣行に依存している状況が続いていた。
韓国の地元メディアNewsisによると、韓国の仮想通貨取引所は、禁止が資本流入に大きな影響を与える可能性があると主張。すでに、これらの取引所はビジネスの縮小と規制要件の強化に直面しており、一部仮想通貨を現地の法定通貨であるウォンに変換するため、クロス取引に依存していると主張しており、ある仮想取引所関係者は、手数料として受け取った仮想通貨を韓国ウォンに変換するためには、取引所で仮想通貨を売るしかないと語っていると報じている。
この禁止に対処するには、取引所はデジタル通貨を韓国ウォンに変換する新しいビジネスを作成する必要があるものの、現地の法律ではそのようなビジネスが禁止されているのが現状である。
当局者はさらに、禁止が別の問題、つまり税金の支払いを生み出すと指摘。韓国では、韓国ウォンでしか税金を支払うことができず、仮想通貨を現地法定通貨に変換する方法がないため、取引所は、仮想通貨を担保に法定通貨を借りるなど、高価な代替手段に切り替え無ければならないとのことだ。