SECはキム・カーダシアン氏に対して罰金を命じる
SEC(米国証券取引委員会)が発表した声明によると、リアリティ番組のパーソナリティであるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)氏は、仮想通貨証券を不適切に推奨していたとして起訴されたことが明らかになった。
SECは、同氏が不正行為を認めることも否定することもなく、疑惑を解決することに決めたと主張し、同氏は126万ドル(約1.8億円)の罰金を支払うことに同意したとのこと。SECは、同氏が2021年6月のインスタグラムの投稿で、イーサリアムマックス(EthereumMax/EMAX)支援の見返りとして25万ドル(約3,600万円)を受け取ったことを開示するのを怠ったと指摘。そのうえでSECは、本来払うはずであった金額と利息分である100万ドル(約1.4億円)の罰金を支払わなければならないと主張しているとのこと。
同氏の顧問弁護士であるマイケル・ローデス(Michael Rhodes)氏によると、カーダシアン氏はこの問題の結論に満足しており、SECに全面的に協力したとのこと。同弁護士は声明の中で次のように述べている。
彼女は長引く論争を避けるために、この問題を終わらせたかったのです。彼女がSECと結んだ合意は、彼女が多くの異なるビジネスの追求を進めることができるように、それを可能にします。
有名・著名人にも潜在的な投資先を調査するよう求めるSEC
カーダシアン氏は、14億ドル(約1.5億円)の価値があるとされる世界最大のプライベート・エクイティ企業の1つであるCarlyle Groupの消費者・メディア・小売部門の元世界責任者のジェイ・サモンズ(Jay Sammons)氏とともに、SKKY Partnersを共同設立したことで知られている。
SEC委員長ゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏は今回の件について、次のようにコメントしている。
このケースは、有名人やインフルエンサーが仮想通貨証券を含む投資機会を支持するとき、それらの投資商品がすべての投資家に適していることを意味するものではないことを思い出させます。カーダシアン氏のケースはまた、法律が、彼らが証券への投資を促進するためにいつ、いくら支払われるかを公衆に開示することを要求する、有名人やその他の人々へのリマインダーとして機能します。
一方で、2017年にSECから発表された声明の中で、投資家に対して、アーティストやスポーツ選手、その他のアイコンからの有料推薦に頼るのではなく、潜在的な投資先を調査するように促しているとのこと。実際、ボクサーのフロイド・メイウェザーJr.(Floyd Mayweather Jr.)氏やミュージシャンのDJキャレド(DJ Khaled)氏も、ICO(Initial Coin Offering=新規仮想通貨公開)の投資促進で受け取った金銭を開示しなかったとして、米国政府から罰せられたことがある。