「フェイスブック仮想通貨リブラの停止は、中国を優位を与える」

Facebook CEOのMark Zuckerberg氏は、米国議会に対して「リブラプロジェクトの停止することでこの分野で中国に優位を与えることになるだろう」と述べた。Mark Zuckerberg氏は23日に行われた下院金融サービス委員会の公聴会に先立って、デジタル支払いシステムは将来重要になるとの見解を示している。

これに関してMark Zuckerberg氏は「もしアメリカがこの分野でリードしなければ他の国が優位に立つでしょう。海外企業は私たちのように規制の監督や透明性へのコミットメントなしにプロジェクトを始動するかもしれません。」とプロジェクトの優位性について述べ、その中でも独自通貨の発行を予定する中国を名指して指摘した。

「中国は今後数カ月の間に同じようなプロジェクトを立ち上げるために急速に動いています。一刻も早く行動しなければアメリカの金融的なリーダーシップの妨げになってしまうでしょう。」

厳しいリブラへの視線

7月に委員会委員長のMaxine Waters氏は、仮想通貨リブラおよびリブラの専用ウォレットであるカリブラについて実装を停止する書簡をFacebookに送信した。米国の議員の中にはMaxine Waters氏を筆頭としてリブラプロジェクトを「危険」であるとし、Facebookを攻撃しているという問題があった。これを受けてか当初Facebookのリブラプロジェクトとパートナー契約を結んでいた、Paypal、Visa、Mastercard、EBayなどの企業が米国の規制当局からの監査を避けるためにプロジェクトから離脱した。

もし今後もリブラプロジェクトについての懸念などが解消されずにプロジェクト自体が延期を繰り返すようであれば、中国やその他の国の企業に先手を取られてしまう可能性もある。