仮想通貨ライトコインが匿名機能を実装した場合、取引所トラブルに直面の可能性も

仮想通貨ライトコインが匿名機能を実装した場合、取引所トラブルに直面の可能性も

2019年10月22日、ライトコインに導入されるプライバシー機能について、ライトコイン財団から詳細な発表があった。発表によれば、オプトインのMimbleWimble(MW)は拡張ブロック(EB)を介した新しいトランザクション形式で導入されるとのこと。MWはEBを介して実装されるため、ハードフォークの必要がない。さらに、ユーザーはMWの使用を選択できるとされる。

ライトコイン財団は今年2月にMWを初導入したBEAMと提携し、ライトコインへのプライバシー機能実装を目指していた。

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2019.09.20

ライトコインとMWと代替可能性

ライトコインにMWが実装される大きな理由は、仮想通貨の代替可能性(Fungibility)の向上にある。これはCEOのリー氏がツイッターでも述べている。

https://twitter.com/SatoshiLite/status/1089935081337085952

代替可能性は法定通貨がもつ特性で、例えば1万円札は、誰がもっていても1万円の価値がある。これならば仮想通貨にも当てはまりそうだが、仮想通貨はその透明性の高さから「過去に誰のアドレスを経由してきたか判明する」点があるため、法定通貨の代替可能性が当てはまらない。

もしあなたがこれから受け取る10BTCが、過去に犯罪者の使っていたアドレスを経由してきたビットコインだとしたら、あなたはそのビットコインを受け取りたいだろうか?
おそらくNOだろう。私でも受け取りたくない。後々警察の捜査が及ぶ可能性があるからだ。これだと同じ10BTCでも、クリーンなアドレスを経由してきた10BTCの方を誰もが欲しがるため、代替可能性には当てはまらないことになる。

このような事情があるため、仮想通貨の代替可能性を向上しようと、ライトコインはMWの実装に踏み切った。

匿名コインと取引所

ライトコインがMWを実装するのは良いとしても、取引所との問題が発生する。取引所は犯罪に使われることが多いプライバシーコインの取扱いを嫌がるからだ。モネロ・ダッシュ・ジーキャッシュなどを上場廃止にした取引所(UpbitやOKExなど)もある。さらにBittrexなどの取引所はマネーロンダリング対策としてChainalysis社の「Know Your Transaction(KYT)」を使用して疑わしいトランザクションを検知するといった手段も講じている。

ライトコインがMWを実装した場合、取引所の中には上場を廃止する所も出てくるだろう。特に日本では金融庁が認めたホワイトリストから削除される可能性も出てくる。日本の取引所の対応によってはライトコインの価値が一時的にでも下がってしまう危険もあるため、保有者は気が気ではないだろう。