ドージコインはテロや児童性的虐待資料との結びつきが強まる

犯罪行為に使用されるドージコイン

ブロックチェーンの分析を手掛けるEllipticの最新調査によると、イーロン・マスク(Elon Musk)氏の押し通貨であるドージコイン(Dogecoin/DOGE)は、トークンの価値と人気は、ここ数カ月で劇的に上昇しているものの、多くの違法行為に現在利用されていることが分かった。

Ellipticは、有名なミームコインが数百万ドル相当の違法行為の支払いとして犯罪者によって利用されていたという証拠を発見したと主張。最新調査によると、“ジョーク”として誕生したドージコインは、テロへの資金提供のほか、ポンジスキーム、自動への性的虐待資料など、違法行為との関連性が高まっているとのこと。約50件に上る犯罪がDOGEと結びつけられているという。注目された犯罪の中には、中国の警察による2,000万ドル(約27億円)以上のDOGEを没収したPlus Token ポンジスキームや、2021年にトルコで明るみになったポンジスキームに関連した1億1,900万ドル(約161億円)相当のドージコイン窃取の疑いが含まれている。

過激派とハッカーが選ぶ仮想通貨

イスラエルの対テロ資金調達局は、2021年、テロ組織ハマスの管理下にあるか、テロ関連の活動に利用された疑いのある多数の仮想通貨アドレスに対し、差し押さえ命令を発布。

調査によると、アドレスの中には、DOGEに40,235ドル(約550万円)を含むウォレットが含まれているとのこと。さらに、ダークネットに関しては、盗まれたクレジットカードを検証するJust-Kill、違法薬物の販売に焦点を当てたArchetype、銃器や盗まれたものの違法な売買を促進するその他の市場など、多くの市場でドージコインが受け入れられている。Ellipticは、極右過激派組織がドージコインを悪用し、資金凍結など、経済的な性差を受けている場合、仮想通貨に目を向けていると報告している。これまでにドージコインで1,700ドル(約23万円)以上を集めた、極右のWebサイトInfowarsを含め、多くの極右組織がドージコインを利用して寄付を集めている。

専門家によると、このドージコインは、コンピューターを妨害して仮想通貨を無差別にマイニングするCliptomanerなどのマルウェア配布にも使用されているという。ここ数カ月、マスク氏によって広くサポートされているドージコインは、CoinMarketCapの調べによると、時価総額1兆1,519億円で、10番目に大きい仮想通貨である。

一方、ドージコインが違法操作に使用されている場合でも、報告された量は、その価値全体と比較するとごくわずかである。