Geminiが仮想通貨業界衰退で10%の雇用削減を発表
タイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏、キャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏、2人の兄弟によって設立された仮想通貨取引所であるGeminiは、仮想通貨業界全体の衰退により、10%の雇用削減を発表したことが明らかになった。
大手メディアのBloombergは、Geminiが来る仮想通貨の冬に備えて会社の再編成を計画しており、10%の雇用削減を行ったと報じている。Geminiは仮想通貨価格の下落に伴う業界の衰退をかんがみて、すべての物理的なオフィスを閉鎖し、現在の業界の課題を克服するために人員削減を発表。同取引所は2014年に設立された米国に拠点を置く規制対象の仮想通貨取引所で、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)などのデジタル通貨を取引するためのサービスを顧客に提供していることで知られている。
約100人の従業員を削減
GeminiのLinkedInページには、1,000人以上の従業員数が表示されているが、具体的にGeminiは従業員の数を明らかにしていないため、今回の人員削減の人数は明確になっていない。
しかし、同社のブログ であるA Message from Cameron & Tyler”で発表された声明によると、最大100人の雇用が削減されたことが示唆している。ウィンクルボス兄弟は、仮想通貨市場の衰退の主要原因として、仮想通貨価格の大幅な低下、地政学的不安定、開発の停滞を指摘。実際、仮想通貨の価格は、2021年11月に市場が30億ドル(約3,894億円)の評価額のピークを迎えて以降は下落傾向にあり、個人投資家の関心を低下させ、取引量を抑制し、仮想通貨取引所の収益が減少する結果を招いており、同兄弟は次のように語っている。
現在、私たちの業界では仮想通貨の冬と呼ばれているように、収縮期から停滞期へと移行している状況です。これはすべて、現在のマクロ経済と地政学的な混乱によってさらに複雑化したものであり、困難に直面しているのは私たちだけではありません。
仮想通貨市場は周期的に成長と縮小を繰り返しており、その後の段階ごとに新しいトレンドや物語が生まれ、前よりも多くのユーザーや投資家を取り込んでおり、Geminiはこの困難を乗り越えることでさらなる価格の上昇を見込んでいるとのこと。その一方で、資金は業界に流れ続けており、a16Z(アンドレセン・ホロウィッツ)などのベンチャーキャピタルは5月初めに記録的な45億ドル(約5,841億円)の資金を調達したほか、Binanceは5億ドル(約649億円)を調達するなど、複数の仮想通貨スタートアップは数十億ドル規模の資金調達を行っている。