IBM、ホタテ貝の追跡にブロックチェーンを活用へ
2019年10月17日、IBMはRaw Seafoodsが提携を結んだことを発表した。米国マサチューセッツ州にあるRaw Seafoodsは小売店や飲食店にシーフードを販売。そして今回の提携により、IBM Food Trustプラットフォームを使用して、大西洋で獲れたホタテ貝のトレーサビリティを行うことになった。同社は消費者向けアプリの開発も行っており、消費者はQRコードをスキャンすることでホタテ貝に関するデータを閲覧することが可能になるという。
Raw Seafoodsのマーケティング担当で副社長のDaniel McQuade氏は「私たちは業界標準を遥かに超える製品を提供できるように積極的に取り組んでいる。IBM Food Trustは消費者と漁船の船長を直接結びつけることができる。買い物客や飲食店からのより多くの要求に答えられる完璧なツールが見つかった」と語っている。
水産物のトラブル
消費者の多くは自分たちが口にする水産物がどこで獲れたものかを正確に知ることができない。このためシーフードというジャンルは不正や詐欺が多い。とは言え、その多くはラベルの誤表記・代用魚(代替魚)・偽装魚・産地偽装などで、これらも十分問題だが、さらに健康上のリスクが発生する不正や詐欺はより深刻な問題となっている。水揚げした日時を偽装し、古くなった魚を有害な添加物で加工し、あたかも新鮮な魚であるかのように販売されることもある(発ガン性の高い発色剤の使用が問題)。
ビジネスブロックチェーンの活用
水産物で多く発生している問題、詐欺・透明性・持続可能性を解決するのがIBM Food Trustによる製品の追跡だ。漁船がホタテ貝を水揚げしたときからデータはアップロードされ、手作業で等級分けされる時も、梱包される時も、出荷される時も追跡され、アップロードされる。
IBM Food Trustは、米国にある世界最大のスーパーマーケットWalmartが活用していることでも知られている。他にもインド産のエビ・エクアドル産の養殖エビなどにも活用。
IBMの取り組み
Stellarプロトコルを使用したクロスボーダー決済「IBM Blockchain World Wire」や、ステラから初となるステーブルコイン「Stronghold USD」を発行する計画、ゼネラルマネージャーのジェイソン・ケリー氏がFacebookとの連携を匂わせる発言をするなど、IBMは継続的に話題を提供している。