米仮想通貨ファンド、過去最高の資金流入額を記録 =グレースケール第3四半期レポート
米国資産運用会社Grayscale Bitcoin Trust(グレースケール)が第3四半期レポートを発表した。この期間の7月において、1日の資金流入額が7,500万ドル(約81.5億円)を超える日もあったことが判明。この流入額は、JPモルガンで財務マネージャーをしていたMichael Sonnenshein氏が、2014年にグレースケールのマネージングディレクターに就任して以来の最高額となる。
過去1年間における流入総額は、約4億ドル(約435億円)以上にもなったが、7月半ばに急増した第3四半期だけで約2.5億ドル(約272億円)を記録したため、今期なぜこんなにも資金が投入されたのかに注目が集まった。
資金の流入元は?
グレースレケールの顧客には、機関投資家・大口の個人投資家が・ヘッジファンドなどがいる。中には数十億ドル(数千億円)の資金を顧客から預かっているヘッジファンドもいるという。また、グレースケールにとって、100億ドル~150億ドルの資金が出せる投資家を顧客としてカウントするとしている。このようなファンドは全体の8.5%ほどしかいないという。
多額の資金がビットコインやアルトコインの金融商品に流れ込んでいることになるが、最も注目したいのは、主力商品であるGBTCを除く商品に流れた資金が前期に比べて1億700万ドル(約116億円)増加したことだ。GBTCは「金に投資するのは止めてビットコインに投資しよう!」と広告で呼びかけたことでも話題になった金融商品である。
グレースケールが扱う商品
Grayscale Bitcoin Trust(GBTC)・Grayscale Ethereum Trust(ETHE)・Grayscale Ethereum Classic Trust(ETCG)の3つがOTCQXに上場している。他にも、ライトコイン・リップル・ステラ・ジーキャッシュ・ホライズンがある。最近では2019年10月14日に米国金融業規制機構(FINRA)から承認された「グレイスケールデジタルラージキャップファンド(GDLCF)」が米国店頭取引市場(OTCQX)に4番目の商品として上場。OTCQXは新興市場だが、この市場は短期でハイリターンが期待できる反面、ハイリスクでもある。
ビットコインの現在の価格は短期的なレンジとなっており、これを下抜けば下降トレンドに突入するため、個人投資家が手を出すのは難しい局面となっている。