「テレグラムの独自ブロックチェーンの価値は、5年で200億ドルをを超える」=米ファンド研究レポート
2019年10月、米国ファンドのデセントラル・パーク・キャピタルがテレグラムの独自ブロックチェーン「テレグラム・オープン・ネットワーク(TON)」に関するレポートを発表した。レポートによれば、ブロックチェーン上で発行される独自トークン「グラム(Gram)」は5年で200億ドル(約2兆1,600億円)以上になり、時価総額ランキングトップ10に入ると評価している。
ちなみに現在の時価総額ランキング10位はカルダノで、時価総額は約12.8億ドルとなっている。初回プライベートセールでは0.37ドル・2回目では1.33ドルで販売され、当時としては最高額となる17億ドル(約1,840億円)を調達したことでも話題になった。
レポートで指摘されたTONの問題点
レポートには、TONが「銀行口座を持てない人たちの銀行」になる可能性がある(これは多くの仮想通貨に当てはまるので特に目新しくはない)・WEB2.0のAppStoreに似たWEB3.0アプリケーションの最初のプラットフォームになる可能性があると記載されている。
WEB3.0はブロックチェーン技術のひとつ。簡単に言えば分散型アプリで、ネット世界自体が中央集権的企業が管理するものから個人でも管理可能なものになるという。まだ具体的な事例が乏しいため、曖昧な表現しかできない点がもどかしい。レポートではTONの3つの問題が指摘されている。
- 開発がオープンでない
- テレグラムの拠点はロシアだが、ロシア政府が問題視している
- 需要と供給のバランスの悪さ
2つ目は、ロシア政府がテレグラムのアプリを禁止した本当の理由が、テロリストに使われたからではなく、独自仮想通貨の開発が関係していることが話題になったことに由来すると思われる。
3つ目の問題点は私たちにも直接関係がある。グラムは今月31日にはリリース予定だが、現時点で仮想通貨業界の盛り上がりに欠けているため、投資家の関心が薄い。加えて出遅れ感もある。ユーザーがグラムを購入する手段も少ない。結果として、短期~中期的に見て、買い手が少なく、売り圧力が強い状況となる可能性が出てくる。これら問題点を踏まえての「5年」と思われる。
コインベースがグラムのカストディを提供
2019年10月10日には、コインベースカストディがグラム(GRM)の機関管理者となり、サービスを提供すると公式ブログにて発表。今月末にローンチとなるが、エストニアの仮想通貨取引所ATAIXでは9月19日から30日まで先行販売されていた。