仮想通貨取引所のウォッシュトレード(偽造取引)が、35%減少|しかし、依然として73%は偽造取引を実施
仮想通貨市場に何百を超える仮想通貨取引所が存在し、ビットコインをはじめとする仮想通貨が成長するにつれて、取引所も急激に成長を続けている。そんななか、仮想通貨取引所にはウォッシュトレード(洗浄取引)と呼ばれる取引ボリュームの偽造が懸念されてる。
仮想通貨やブロックチェーンの分析データを提供するBlockchain Transparency Institute(BTI)が、今月20日に公開した分析データよると、仮想通貨取引所のウォッシュトレードは6ヶ月間で減少傾向にあり、上位40の仮想通貨取引所で「35.7%」も減少してることを発表した。
Latest BTI report! We’ve been able to reduce global top 40 exchange wash trading by 35% since we launched the BTI Verified program in April. New BTI Verified exchanges include @binance, @Gemini, @bitFlyer, and @indodax. See the full September report: https://t.co/UGqm6CXHl9
— Blockchain Transparency Institute (@BTI___) September 19, 2019
また、BTIは今回の調査を6ヶ月前から開始。調査の結果、以下の取引所を「クリーンな仮想通貨取引所」であると断定している。
- Kraken(クラーケン)
- Poloniex(ポロニエックス)
- Upbit(アップビット)
- Coinbase(コインベース)
米国・日本にはクリーンな取引所が多い
さらに「クリーンな仮想通貨」を調査するにあたって、世界各国に存在する取引所のなかで、米国および日本の2ヶ国に拠点を置く仮想通貨取引所には、クリーンな取引所が多く存在していることが明らかになった。
これらの影響として、両国ともに規制当局による「厳格な規制の枠組み」が敷かれていることが要因であるという。しかし報告書では「より厳格な規制の枠組みが常にクリーンな取引所を生み出すとは限らない。」として、韓国が例として挙げられている。
ウォッシュトレード(洗浄取引)の現状
調査では前回から同様、多くの仮想通貨取引所にてウォッシュトレードが継続して実施されている。報告書では、ウォッシュトレードが最も多かったのが「OKEx」と「Bibox」であった。またBTIは、ウォッシュトレードへの世間の関心が高まっているにも関わらず、時価総額ランキングなどを掲載するCoin Market Cap(CMC)が「“トップ10の仮想通貨取引所の調整ボリュームランキング”で多数の詐欺取引所を挙げている」と指摘。さらには、上位100の取引所のうち現在、73の取引所がウォッシュトレードをしているという。
「そのトップ10リストには、LBank、BW.com、Bit-Z、Coinbene、およびOKExが含まれています。これらのデータは、96.9%から99.7%までの高水準の洗浄取引率を示しています」
この指摘の内容は、CMCが基本的に取引所の取引ボリュームをチェックせず、そのデータを元にした取引量によって取引所をランク付けし、詐欺的な仮想通貨取引所がランキングをアップさせていると指摘した。
ウォッシュトレードは減少している
しかし冒頭でも説明したように、これらのウォッシュトレードを行う取引所は減少傾向にある。
国内最大級の仮想通貨取引所であるbitFlyer(ビットフライヤー)は、過去数カ月間で「実際の取引量」と「報告された取引量」の差が5%未満になっているという。さらにはウィンクルボス兄弟が運営する取引所Gemini(ジェミニ)に関しては、年始に「12〜15%」発見されたにも関わらず、現時点で10%まで減少している。
これらの仮想通貨取引所へウォッシュトレード減少の背景には、2019年3月にBitwiseによって調査・発表された、「ビットコイン取引量の約95%が規制されていない取引所により操作されている」というレポートが大きく影響している。
今後の仮想通貨取引所による取引ボリュームの偽造は、大きな問題として解決しなくてならない。ウォッシュトーレ度は減少傾向にあるが、今後ともに監視する体制が必要となるだろう。