フェイスブックの仮想通貨Libra、「他の決済企業の締め出す可能性」でEU規制当局が調査
フェイスブックが計画する仮想通貨Libra(リブラ)は、米国だけではなく、ヨーロッパ圏でも問題として大きく取り上げられているようだ。EUの反トラスト規制当局は、仮想通貨プロジェクトLibraに関する調査をスタートしており、Libraは既に発表されてから2ヶ月が経過している。
ブルームバーグによって明らかになった今回の報道は、EUの反トラスト規制当局はフェイスブック社が構想段階である仮想通貨Libraを不当に活用し、Libra団体に属さない他の決済企業を締め出す可能性があることを懸念し、調査を行なっているという。
「提案された支払いシステム(Libra)が、他のライバルを不当に締め出すという懸念の中で、Libra協会に関連する潜在的な反競争的行動を現在調査中している。」
規制当局の懸念はこれだけではない
また、EUの反トラスト規制当局は、世界的なメッセージアプリである「WhatsApp」や「Messenger」などのフェイスブックの関連サービスが、Libraに関連するアプリケーションへ統合される可能性についても検討しているという。さらに、リブラ協会の統治構想や、メンバーシップに焦点を合わせると述べているようであり、突如として参入したフェイスブックの仮想通貨計画に困惑の色を隠せないようだ。
フェイスブックは以前、仮想通貨Libraを本格的にスタートする前に、すべての規制当局をなだめることを約束しており、ホワイトペーパーで明らかにされた「2020年上半期」の発行予定日は延期になる可能性がある。実際に、フェイスブック社は、米証券取引委員会(SEC)に提出した文書にて「Libraが一時的あるいは、全て利用可能になることを保証することはできない。」と説明しており、通貨を発行するまで時間を要することが考えられる。
さらに、Libra団体に加盟してる決済大手Visaは今回の報道についてコメントを拒否。Libraの代表者や、Mastercardもコメントについてリクエスト応じていない。