ポピュラス(Populous/PTT)の特徴・詳細とは?

Populous(ポピュラス/PTT)の特徴・詳細|融資を概念を変える仮想通貨

「インボイスファイナンス」というワードが昨今注目されています。これは日本語に訳すると「売掛金担保融資」のことです。企業が融資をする際に、未回収の売掛金を担保にすることです。

インボイスとはこの場合の売掛金、将来の収入予定のことを指します。このインボイスファイナンスは、資金繰りがハードな中小企業が現金を集めるために有効な手段とされています。ファクタリングと呼ばれることもあります。インボイスは証券的に扱われ、そこには市場が生まれています。そのインボイスファイナンス市場は、2014年に256兆円もの市場規模で、将来は3兆ドル(337兆円以上)の規模になると予測がされており、巨大なマネーがうごめいている場所です。

本記事で紹介するPopulous(ポピュラス/PTT)は、このインボイスをブロックチェーン上に記録し、自動的に与信分析などを行うことを目的とした仕組み構築を目指して開発されている仮想通貨プロジェクトです。Populousがインボイスプラットフォーム構築を実現することで、中小企業のファイナンス環境は大きく変化すると言われています。

Populousがどのような未来を見ているのか、採用している言語「Extensible Business Reporting Language/XBRL」、指標「Altman Z-Score」などから、特徴、詳細、将来性と実績などを考察してみたいと思います。

Populous(ポピュラス/PTT)の最新価格・相場・チャート・評価


Populous(ポピュラス/PTT)の特徴・詳細

Populousは、2017年4月に公開された、通貨略号PTT、発行上限が約5,300万枚、取引承認アルゴリズムはPoA(Proof-of-Asset)の仮想通貨トークンプロジェクトの名称です。インボイスファイナンスプラットフォームを国際的に展開し、次世代の金融市場を創出することをめざして開発が進められています。

Populousでは、インボイスをオークションの形式で取引することができます。メルカリなどのネットオークションのイメージです。投資家はインボイスを落札する際に、Populous内で利用する独自トークン「Pokens」(Populous tokensを縮めた造語とのこと)を使用して支払いをします。

Populousプラットフォームで使用される「Pokens」とは?

Populous内で使う独自トークンPokensは、ペッグ通貨です。ペッグ通貨とは、国などがドルなどと為替のレートを固定にしておくことです。固定相場制とも言い、日本も昔は1ドル=360円の固定相場制を採用していました。Pokensも、世界各国の法定通貨と1対1の比率固定がされています。

ペッグ通貨にすることで、現実の金融市場の動向に左右されやすくなってしまうという特徴を持ちます。もし不況などが起こってしまうと、PTTの時価総額も合わせて下落するリスクがありますが、世界標準により近づくことになるというメリットがあります。他の金入商品と同様になるということで、投資家は投資計画が立てやすくなるとも言えます。なお、他の仮想通貨でもTetherやDaiなどのペッグ通貨があります。

Extensible Business Reporting Language/XBRLとは

Populousでは、データのやり取りの際に使用言語としてExtensible Business Reporting Language、略してXBRLというメタ言語が使われています。
webサイトなどを構成するHTMLもメタ言語ですが、XBRLはXMLというメタ言語をベースに作られた言語です。XBRLにより財務諸表や有価証券報告書などのビジネスレポートなどを電子文書化することで、英語や日本語などの使用言語に関係なくコンピュータによる分析や比較などの二次利用を効率化することができるため、国際的に注目されています。

イギリスでは毎年190万社の企業がこのXBRLを利用して財務を公開しているというデータもあります。XBRLはいまやビジネスインフォメーション取引におけるグローバルスタンダードになりつつあります。このXBRLを利用したインボイスならば、世界中の投資家が確認できるというわけです。

Altman Z-Scoreとは

Populousは、インボイスの与信を測るのに、Altman Z-Scoreを採用しています。これは、1968年にニューヨーク大学のアルトマン教授が発明した公式で、企業が2年以内に破綻する確率などを算出する指標です。

この公式によるインボイスの与信審査結果をプラットフォーム上に表示することで、投資家の効果的なインボイスの売買判断を促進することができます。さらに、Altman Z-ScoreをXBRLやスマートコントラクトと組み合わせることにより、高速で効率的な処理が自動でできるようになります。

Populous(ポピュラス/PTT)での融資の流れ

Populousプラットフォームでのインボイス融資はどのように行われるでしょうか。流れを詳しく説明していきます。

1.Pokensを用意する

Populousでインボイスを売りたい投資家は、Populous内で利用するPokensを用意します。

2.インボイスをPopulousのプラットフォームに掲載する

その後、インボイスをPopulousのプラットフォームに掲載します。メルカリやヤフオクで売りたい商品を掲載するイメージです。

3.投資家が掲載されているインボイスの中から投資したい案件を選び、購入条件を設定する

インボイスを購入するために、投資家は掲載されているインボイスを選び購入条件(購入価格)を設定します

4.マッチングが成立すれば、企業と投資家でインボイスとPokensを交換する

企業が投資家の条件を問題ないと判断し、売買が成立すれば取引がされます。取引はPokensで行われます。

5.企業は受け取ったPokensを現金もしくは他の仮想通貨へ換金する

企業は、受け取ったPokensを現金などに換金し、本業の資金繰りに利用します。

金融市場をどう変えるのか?

Populousがめざす金融市場は、現在の人を介して行われている与信や取引を高速自動化し、さらに国の垣根を超えたやり取りができる市場です。
株式や為替などは現在そのようになりつつある側面もありますが、まだまだ売買成立までに多くの仲介人の手や判断を介した売買や決断が行われています。
もちろん、最終的な判断は人間が行うような仕組みにはなると思いますが、仲介業者をなくすことで安全かつ透明性の高い、そしてなによりも高速なインボイスの売買取引所は、中小企業のあり方や投資の形を変える可能性があります。

Populous(ポピュラス/PTT)の評価まとめ

これまで見てきたように、Populousは中小企業のファイナンスにおける立ち位置を変える可能性のあるプラットフォーム実現をめざしています。Populousは、まなざしている未来へ、どのように歩を進めているのでしょうか。そしてその未来にはどれほどの実現可能性があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

Populous(ポピュラス/PTT)のこれまでの実績

Populousは、着々と提携している企業数を増やしています。インドに拠点があるインボイスプラットフォームである「TradeSpace」と提携し、さらにプラットフォームにおける取引の高速化を実現しようとしています。また、銀行口座のあるなしにかかわらず仮想通貨取引が可能になるブロックチェーン技術利用のプラットフォーム「Cashaa」との連携も話題になりました。

Populousの今後

何度も繰り返していますが、Populousは新しい金融市場プラットフォームの構築をめざしています。しかしそれにはもちろん、ハードルがあります。

一番大きな障壁は、多国間の文化や法律の違いでしょう。Populousはテクノロジーによる一元的なルールでの市場構築をめざしています。それはとても効率性が高い方法です。

しかし、市場は生身の人間が長い時間とやり取りを蓄積して作り上げた場です。
そこに割って入るには、法整備や割を食ってしまう人へのカバーなど、細かい作業が必要となってきます。
Populousは、そこをどううまく攻略するかという点がポイントとなるでしょう。