オーガー(Augur/REP)の特徴・詳細とは?

オーガー(Augur/REP)の特徴・詳細|未来予測を共有していくトークン

『The Wisdom of Crowds』は、アメリカ人ジャーナリストのジェームズ・スロウィッキー(James Surowiecki)氏により書かれ、米国はもとより世界的に話題になった書籍です。日本でも、『みんなの意見は案外正しい』という邦題で翻訳されています。この本は、”「みんなの意見」は案外正しいがあくまで案外であって間違っている場合もあり、誰もその責任はとれない。さらに、「みんなの意見」は計算次第で構築可能で、そこに新時代の常識があるかも!?”というような内容の本です。

WikipediaやQ&Aサイトの「集合知」、Twitterやfacebookで議論や動員がおこることなども、この「みんなの意見」の集計として説明されたりします。現代がwebで情報が共有され各人がそれに刺激されて展開していく時代なのはもはや明らかです。そんななか、「みんなの意見」=「群衆の知恵(Wisdom of the Crowd)」をリアルタイムで集計し、可視化し、うまく利用することで精度の高い未来予測を行うことができないか、と考える技術者やプロジェクトマネージャーが現れるのは必然でしょう。

本記事で紹介するAugur(オーガー/REP)は、そのように「群衆の知恵」での未来予測をブロックチェーンで実装しようというプロジェクトです。この試みは、ギャンブルや保険の一般的な概念を変え、新しい時代を切り開く可能性があります。このトークンの特徴、将来性について詳しく解説していきます。

オーガー(Augur/REP)の最新価格・相場・チャート・評価


オーガー(Augur/REP)の特徴・詳細

Augur(オーガー/REP)は、通貨略号REP、最大供給量1100万枚の仮想通貨トークンです。2014年の秋ごろより開発が開始され、アルファ版は2015年6月リリース、ベータ版は2016年3月にリリースされました。Augurとは、「占い師」という意味で、通貨略号REPは、「評判」という意味のReputationに由来しています。不特定多数の人が、まだ起こりえぬ未来を志向しているさまが名称にも表れています。

オーガー(Augur/REP)とは?

Augurは、非中央集権的な体制によって、胴元が存在しない未来予測市場を世界中に提供することを目的として開発が進められています。世界中の人々が個々人の知識や主観に依ってそれぞれのデータを提出することでREPの手数料をもらえ、集合知が形成されていくというエコシステムです。未来を知りたい、これからどうなるのか知りたい、という欲望は人間なら誰しもが持っているものです。当然、完全に未来を知ることはできませんが、統計学と確率論、集合知をブロックチェーンでオーガナイズすることで、この欲望へのアプローチを模索しているAugurは、とても新しいことへ挑戦していると言えるでしょう。

未来予測の関連する市場で、多くの人が関係している分野はギャンブルと保険です。そしてこの2つの分野は現在、大きな資本を持つ企業や組織が運営していて、強力な中央集権に裏付けされた分野だと言えます。そのことで不正や八百長(ギャンブルの場合は、非合法な組織が運営している場合もあります)が行われる可能性があり、実際にそのようなことが行われた際はユーザーが不利益を被ることになります。ビットコイン由来の非中央集権思想を持つAugurのシステムが確立した際は、この2つの分野に大きく影響を及ぼすと考えられています。

Augurが目指すギャンブル市場

ギャンブルにもいろいろなものがありますが、予測市場とされるのは未来の結果予想を商品とするものが該当します。TOTOや競馬・競輪、アカデミー賞やノーベル賞受賞者、スポーツの試合結果や選挙結果を予測して賭けを行うブックメーカーなどです。カジノのトランプを使ったゲームやルーレット、麻雀やパチンコは該当しません。

ギャンブルの胴元は、オッズや結果を操作する可能性がありますが、胴元のいないAugurであれば、公正な運営が低コストで行われるため、不正はなくなりベットした金額の還元率が向上します。例えば、特定の地域の明日の天気が晴れか雨か曇りか、を賭けとして扱い、その日の天気がどうだったかを結果認定することでREPを分散配当するというようなことを、ブロックチェーン上、スマートコントラクト機能を利用して行うことができるのです。

レポーターとは?

未来を予測するにあたって、予測した結果が事実だったかどうかを認定する必要があります。Augurでは、レポーターと呼ばれる認定担当者が存在しています。レポーターは、REPをデポジットとして預け認定作業を行い、予測が事実であれば報酬をもらうことができ、間違った認定をしてしまったらデポジットが没収されるという仕組みで活動しています。事実認定については投票制で、過半数のレポーターで結託しない限り不正認定はできなくなっています。

Augur創設に関わる重要人物

Augurは、生物物理学の博士号を持ジャック・ピーターソン(Jack Peterson)氏、投資ヘッジファンド会社であるパンテラ・キャピタル(Pantera Capital)のCIOであるジョーイ・クルグ(Joey Krug)氏が中心となって開発を進めています。パンテラ・キャピタルは、ICOへの投資も積極的に行っている企業です。投資会社のプロがバックについていることで、予測市場への期待の高さが伺えます。

アドバイザーはあの人!?

また、Augurにはあっと驚くアドバイザーが就任しています。イーサリアムの開発者である、ヴィタリク・ブテリン(Vitalik Buterin)氏です。開発者としてではなくアドバイザーとしての位置にブテリン氏を据えることがえきることに、その将来性の高さが伺えます。もしかしたら、イーサリアムとの連携やビジョンの共同展開などが起こるかもしれません。

オーガー(Augur/REP)の評価まとめ

Augurはこれから、どのように進んでいくでしょうか。これまでの実績、今後の問題点や将来性について考えてみます。

オーガー(Augur/REP)のこれまでの実績

Augurは、2016年3月にMicrosoftのクラウドプラットフォームであるMicrosoft Azureとの提携を発表し、ベータ版の開発を開始しました。この時に価格も大きく上げています。2017年・2018年には、仮想通貨ウォレットアプリも提供しているセキュリティサービス関連会社である、airbitzとの提携を発表しています。2019年1月には、新しいホワイトペーパーが発表されるとして1週間で2倍以上の値上げを記録しました。

Microsoftという大手企業との提携や、今後の動向が発表されることで敏感に相場に影響がみられることから、様々な視点や分野から注目されていると言えるでしょう。また、2019年の今、ビットコインを始め仮想通貨全体への注目が下がっている中でも、これからの展開に期待をもって市場で受け入れられていると言えます。

Augurの今後

Augurは、スマートコントラクト機能を活用して分散型未来予測を行うため、REPを未来に賭ける行為は一種の契約として扱われます。これは情報改ざんなどにとても強く、ブロックチェーンのデータ詰まりなどが万が一起こっても内容に大きな混乱は起こらないと考えられます。

先にも少し触れましたが、これらのことからAugurはギャンブル以外に保険についても大きな改革を起こす可能性があります。将来に不幸が起こった際の補填を商品として購入するのが保険ですが、この構造はギャンブルと同じく未来予測として解釈・対応が可能なためです。そして、Augurは既存の保険システムでかかるコストを全て軽減することが可能なのです。

Augurが、各個人それぞれの人生や生活スタイルに沿った未来設計に合わせた保険商品を形成するほどまで成長することができれば、保険業界は様変わりするでしょう。もはやそれは「保険」という概念を超えたもので、新しいマネーの流れとなるかもしれません。ただ、保険やギャンブルは国によって法律などが違い、対応には複雑な分野です。ブロックチェーン技術は国境なく世界を網羅しますが。各国でAugurがどう解釈されるかはもう少しニュースを待つ必要があるかもしれません。Augurが今後どのようにギャンブルや保険などの未来予測市場に受け入れられていくのか。どのような企業や素子区とどのような提携を行うのか、技術的な進展はあるのか。動向・ニュースには期待をもって注目が必要です。