イサーリアムクラシックは51%攻撃を指摘されるが、開発者は完全否定|各取引所の対応は?

イサーリアムクラシックは51%攻撃を指摘されるが、開発者は完全否定|各取引所の対応は?

仮想通貨の基盤となり、現段階では改ざんが不可能とされているブロックチェーン技術だが「51%攻撃」と呼ばれる方法を活用することで改ざんが可能となってしまう。

時価総額ランキング18位に位置する仮想通貨EthereumClassic(イーサリアムクラシック)は8日、米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)が公開した報告書にて、次のようにイーサリアムクラシックのブロックチェーンに対する攻撃を報告した。


報告の一部として取引所コインベースの公式ツイッターでは「イーサリアムクラシックのブロックチェーンにおいて51%攻撃を含む、Reorg(Reorganization)を検出しました。顧客資金を保護するために、我々はすぐに ETCブロックチェーン上のこれらの資金の動きを一時停止しました。」と説明されている。

しかし、これに対してイーサリアムクラシックの開発者は「マイニングのテストによるものだ。」と主張し、完全に今回の攻撃に関する報告を否定している。

日本国内の仮想通貨取引所の対応

仮想通貨イーサリアムクラシック(ETC)は世界各国で取り扱われている仮想通貨であり、日本の仮想通貨取引所コインチェックやビットフライヤーでも取り扱われている。そしてこの報告を受け、日本の仮想通貨取引所2社はイーサリアムクラシックの「入出金mの一時停止」を発表している。

コインチェック社は今回のイーサリアムクラシックの一時的な入出金の停止について「入出金の再開は当社にて安全性が確認でき次第、行ってまいります。ご迷惑をおかけ致しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。」と発言している。

仮想通貨市場で発生するPoWの軟弱性とは

今回のようなPoW(Proof of Work)のアルゴリズムを狙った攻撃は初めてではありません。

プルーフ・オブ・ワークスでは、参加者全員が同じブロック(取引データ)をブロックチェーンに追加するための仕組みであり、マイニングによって生成されたブロックは、他のネットワーク参加者全員と共有されることになっている。

今回発生した攻撃では、PoWで以前から問題視されていた「ハッシュパワーの軟弱性」を突かれたようだ。過去2回もの攻撃を受けている仮想通貨バージ(XVG)はシステムの欠陥を悪用し、タイムスタンプというブロックの順番を表すシステムが偽装され、ハッキングが行われている。

これによりハッシュパワーの弱い通貨が狙われ、ビットコインなどの巨大アルゴリズムを参考にした仮想通貨プロジェクトのブロックチェーンが狙われることが予想される。

PoWの知られざる弱点と未来 〜 仮想通貨での不可能な攻撃が現実に 〜 51%攻撃・詳細・特徴

2018.05.31

イーサリアムクラシックを狙う理由

ではなぜ、イーサリアムクラシックが狙われたのか?

ブラジルFECAP大学の暗号ハッキング研究者を研究しているHusam Abboud(フサム・アブド)氏は2018年5月、イーサリアムクラシックに対するネットワークハッキングをして10億ドル(約1100億円)の利益を上げるには、わずか5500万ドル(約60億円)で可能である発表した。

これにより今回報じられたPoWにおける51%攻撃に関しても、5500万ドルがあれば10億ドルの利益を上げて通貨をハッキングし、乗っ取ることも可能である。

ハッキングの51%攻撃に関して研究者が、ETCは60億円のコストで1100億円の利益を出せると算出

2018.05.26

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