仮想通貨市場において日本は先進国であるとされているが、仮想通貨の出資に関して法規制が大きな変化を遂げようとしている。
今回、仮想通貨の出資に関する法規制について産経新聞は8日、金融庁が金融商品を手がける事業者が“現金のみでなく仮想通貨で出資を行なった場合”でも、「金融商品取引法(金商法)」の規制対象となる方針固めたと報道した。
これによってこれまで無登録業者の事業者などは、禁止されていた「金銭(現金)」で出資を募ることはもちろんのこと、「仮想通貨」で出資を募ることも金商法によって禁止になる。
これまでの資金調達に関する規制について
今回の金融庁による仮想通貨での資金調達の禁止は、これまでに日本で横行していた、詐欺まがいの仮想通貨による資金調達の撲滅と、日本国内およびそれ以外の投資家の保護を目的としているようである。
実際に2018年、日本での金商法の抜け道を見つけ、それを悪用した事業者によって約80億円相当の仮想通貨が無許可で資金調達されていたようだ。
金商法は、「国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資すること」を目的としており、これは証券市場における有価証券の発行および売買、その他の取引について規制した法律である。しかし、日本において仮想通貨は「有価証券」として最終決定はされていないが、今回の金融庁の方針の決定では仮想通貨による資金調達は金商法に該当するようだ。
その金商法に該当する例として、「以前、警視庁は現金で約2900万円の出資を募った9人の容疑を逮捕。そのうちの仮想通貨での出資に関しては立件を見送っていた。これらの出資に関する資金が全て仮想通貨であれば、摘発できなかった可能性もあったという。」産経新聞は報道している。
これにより、日本の規制において「現金」はもちろんのこと、これからの資金調達において「仮想通貨」を使用した場合には、無登録業者に対して金商法の適用がされることとなる。