イーサリアム(ETH)の大型ハードフォーク・アップデートを分かりやすく解説!|最終段階のセレニティを予習しよう

イーサリアム(ETH)の大型ハードフォーク・アップデートを分かりやすく解説!

仮想通貨を誕生させたビットコイン(BTC)に次ぐ、時価総額2位に位置している仮想通貨イーサリアム(ETH)。これまで多くの仮想通貨ICOプロジェクトの資金調達の通貨や、分散型アプリケーション(DEX)の開発など、第三者からの影響を与えられない分散的プラットフォームとして活躍している。

そして2019年、イーサリアムの大型ハードフォークの最終段階である「セレニティ」の完成が近づいているのだ。

このイーサリアムの大型アップデートは2014年7月のETHの誕生から着実にアップデートが続けられているが、実際にどのようなアップデートや技術、内容が変わるかわからないユーザーが多いのも実情です。

今回はそんな、イーサリアムの大型アップデートについて、これまでの流れからこれから起きる変更について解説していきます。

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2019.01.14

イーサリアム(ETH)大型アップデートの詳細

まずはじめに、イーサリアム(ETH)の大型アップデートの目的と何か?

イーサリアムの大型アップデートを行う目的として「分散型プラットフォームの構築」「セキュリティ向上」「スケーラビリティ問題」「マイニングアルゴリズムの変更」が大きな目的となっています。

これらの問題や目的を達成するため、イーサリアムはハードフォークを4段階に分けてアップデートを実行しています。

イーサリアムのハードフォーク
  1. フロンティア(frontier)
  2. ホームステッド(homestead)
  3. メトロポリス(metropolis)
  4. セレニティ(serenity)

1、フロンティア(frontier)

2015年7月に初となるアップデートが行われたフロンティア(frontier)では、基本的な機能の実証実験も目的としており、ETHブロックチェーンおよびプラットフォームを実践的に使用するためのアップデートでした。

アップデートでは、実践的な機能実装について、イーサリアム開発者がバグを発見し、それを修正することを繰り返すことで「分散型プラットフォームの構築」の開発を進める形となりました。

2、ホームステッド(homestead)

2016年3月に行われた第2段階となるホームステッド(homestead)では、第1段階のフロンティアの分散型プラットフォームでの実践的な使用目的を継承しながら、「セキュリティ向上」および、「マイニングの難易度調整(PoW)」を目指すアップデートとなりました。

第2段階のアップデートであるホームステッドからは「セキュリティ向上」の確保や、実践的なプラットフォームの構築、マイニングの難易度調整によって多くの一般投資家やユーザーが仮想通貨ETHを取引し、イーサリアムで発行されたトークンのやりとりをスタートされています。

これによってトランザクションのスケーラビティ問題は大幅に改善され、トランザクション承認速度が最速で5秒まで短縮されることとなりました。

しかし、ホームステッド(homestead)のアップデート中にネットワークの軟弱性をつかれた「The DAO事件」が発生し、仮想通貨イーサリアムと仮想通貨イーサリアムクラシック(ETC)へ分岐する結果となりました。

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3、メトロポリス(metropolis)

第3段階となるメトロポリス(metropolis)は2017年10月にスタートされ、メトロポリスのアップデートでは次のように2段階構成でアップデートが予定されています。

  • ビザンティウム(byzantium)
  • コンスタンティノープル(constantinople)

このメトロポリスの第1段階となるとなるビザンティウム(byzantium)では主に、「匿名性の強化」および「PoWからPoSへの移行準備」が行われています。

匿名性の強化については現在、匿名性通貨として有名なZCash(ジーキャッシュ)で使用されている「zk-SNARK」が採用されており、量子耐性の理論を使用したゼロ知識証明が使われています。また、PoSへの移行は行われていないが、PoSへスムーズに移行するための準備アップデートが行われています。

そして2019年1月時点、現在進行形でアップデートが進められているコンスタンティノープル(constantinople)では、PoSへの本格的な移行を進行しながら、「マイニング難易度の変更」と「実装への簡易化」が行われる予定です。

これによってEOS(イオス)やTRON(トロン)などのイーサリアムに対抗している競合に対抗することが可能になります。dApps(分散型アプリケーション)の開発の簡易化や、安定したイーサリアムプラットフォームを提供することが可能となります。

コンスタンティノープル(constantinople)の実装は当初、2018年年末に予定されていたが、コンセンサスに問題が生じていることから2019年1月に延期を発表。しかし延期されていた1月16日、EIP-1283に致命的な脆弱性が生じているという理由から再び延期を発表し、2月末まで延期することとなっている。

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4、セレニティ(serenity)

最終の第4段階となるセレニティ(serenity)では、イーサリアムの大型ハードフォークが完了する予定となっています。主なアップデート内容としてビザンティウム(byzantium)でアップデートされたPoSへの移行アップデートを引き継ぎ、「PoWからPoSへの完全移行」が目的とされています。

しかし日程は未定であり、コンスタンティノープルの予定を考えると、2019年年末までには実装されるのではないかと予想されています。

ですが、実装が完了されることによりマイニングの簡易化や、トランザクション速度の向上、イーサリアム(ETH)プラットフォームを使用したアプリ開発の増加および、ICOでのプラットフォームの使用増加が予想されています。

イーサリアムアップデートまとめ

これらのアップデートでは、仮想通貨市場のユーザーおよび投資家からの大きな注目を集めています。実際に2017年10月に行われたアップデート「ビザンティウム(byzantium)」では大きな価格上昇を引き起こしています。

それとは反対に、コンスタンティノープル(constantinople)の度重なる延期発表の際には、大きな価格の下落が発生している。しかし、これらの市場の反応はイーサリアムへの大きな期待の現れであり、最終段階のセレニティ(serenity)が完成することによって大きな上昇が予想されています。

セレニティ(serenity)の実装日は現時点の執筆時点では未定ですが、公式の発表は必ずチェックしておきましょう。

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