アメリカニューヨーク州ニューヨーク に住むNicholas Truglia(ニコラス・トルグリア)氏が先週の火曜日に、アメリカカリフォルニア州サンフランシスコ在住の男性の口座から日本円で約1億1千万円分の仮想通貨を盗み出したとしてニューヨークにある男の自宅で逮捕されたとNew York Post(ニューヨーク・ポスト)が報じた。
今回被害にあった男性は先月26日に急に、自身が持つiPhoneが通信不可能になりApple Storeに行き、男性が契約していたアメリカ最大手の電話会社AT&T(エーティーアンドティー)に連絡をしたという。しかし、ハッキング行為を食い止める事は出来ず、仮想通貨取引所であるCoinbase(コインベース)とGemini(ジェミニ)に預けていた合計日本円で約1億1千万円が盗難の被害にあった。
今回の事件の容疑者であるニコラス氏は、以前にもサンフランシスコ南部に位置するIT企業の一大拠点として知られるシリコンバレーに拠点を置く企業の最高経営責任者や共同設立者のスマートフォンをターゲットにしたハッキング行為を何度も試みていたが、未遂に終わっていたという。
ニコラス氏は、SIMスワップという手法を使い被害者の男性の仮想通貨口座に不正アクセスし、口座に保管されていた約1億1千万円を仮想通貨に変換し、自身の口座に送っていたという。警察当局はニコラス氏の自宅からハードウェアウォレットを回収、日本円で約3400万円を取り戻すことに成功したが、残りの資金は追跡が困難で未だ発見には至っていないという。
SIMスワップという手法は、電話会社を欺き標的の携帯の電話番号を自身の携帯に取り込み、様々な個人情報やデータに不正にアクセスするというものである。この手法を使えば標的とされる人物の携帯の電話番号を使用しパスワードの再発行などを行うことができ、仮想通貨の口座への不正アクセスを行うことも出来る。
今回の事件を担当したErin West(エリン・ウエスト)氏は今回の事件について以下のように述べた。「今回のような事件は今までにもあった犯罪だが新たな手法である。数億円が動く大きな事件になる。ハッカー達は私たちシリコンバレーを拠点としているチームはハッカー達がどこに住んでいようが必ず見つけ出すということを覚えておくべきである。私たちの捜査範囲はアメリカ全土である。」
New York Postの報道によると、ニコラス氏は9月に4人の知人から自身の仮想通貨口座のログイン情報を要求され、浴槽に顔を沈められたり、暴行を受けたとして警察に被害届けを出していた。ニコラス氏の仮想通貨口座には日本円で約1億3500万円分のビットコイン(BTC)が入っていたという。
ニコラス氏は暴行の被害を受けた際
仮想通貨を大量に保有している人を標的にするのはよくあることだ。
と語っていた。