元米連邦下院議員のロン・ポール氏が「仮想通貨取引の税金は免除すべき」と発言

今後米国における仮想通貨への課税問題はどうなっていくのだろうか。昨年2017年度の確定申告では課税システムの不透明さからか日本同様に、納税者たちは混乱と疲弊に見舞われた模様である。仮想通貨規制そのものについても議論がなされている中、元米連邦下院議員ロン・ポール(Ron Paul)氏は「仮想通貨取引における税金は免除にすべきだ。」と主張した。

しかしその一方で、アメリカの国税庁にあたるIRSでは「仮想通貨課税については不明確な点が非常に多く、追加でガイドラインを作成する必要がある。」と考えている。

現在、「仮想通貨に関する課税制度」は各国ごとに見解が異なっており、まだ規制の内容が不透明な国も多い。この課税制度に関する問題は、国家としても投資家としても悩みの種となっている。

現在一部の国でのみ仮想通貨を非課税として取り扱っており、その他のほとんどの国では、売買や仮想通貨Pay、使用益そしてマイニング収益について課税対象としている。

自由主義者として知られる、ロン・ポール氏は「仮想通貨保有及び取引に対する、キャピタルゲイン課税をはじめとする徴税は全て免除するべきである。」と主張している。

その背景にあるのは、「”市場通貨”としての役割を果たしてきた金や銀などの貴金属の主要価値は、正確にお金の”真の価格”=金利を反映すること、中央銀行の金利操作と政府により作り出された”法定通貨”は、安全性を著しく欠いており、”反映の錯覚”を引き起こし、投資家たちが市場状況を間違えて判断し、資産の割り当てを誤ることにつながる。」という同氏の考えがあるようだ。

またロン氏は米国連邦時準備制度(FED)が作り出した『幻想』に追いついた時に起きるのは、景気後退や、さらに悪化した状況であり、FEDは景気と不景気の循環を振り出しに戻って繰り返すことになるとも示唆している。

中央政府の意図的な金利操作がバブルとその崩壊の繰り返しを生じており、それを止めるために十分な圧力を加えない限り、国の金融や経済も安定しないとロン氏は主張している。

現状の仮想通貨の課税制度については、多くの国でまだ複雑なところが多く、課税の際に仮想通貨利用者たちの多くが困惑している。米国内で仮想通貨に関する納税を正確に行うためには仮想通貨の保有者たちが各自、自分のウォレット及び、利用した取引所内にある全てのトランザクションを調べる必要があり、非常に煩わしい作業工程となるため、非現実的との見解もある。

今後仮想通貨が普及していくためにも各国で仮想通貨についての理解を深め、実態を適切に理解したうえで仮想通貨に関する税制をきちんと制定していく必要があるのではないだろうか。