新韓銀行とSBIグループが円ステーブルコイン決済を検討
韓国最大級のカード会社である新韓カードは、日本の金融大手SBIグループの傘下企業と提携し、日韓間の旅行者や貿易取引を対象とした円建てステーブルコイン決済の実証実験(PoC)を進める契約を結んだ。
SBI XDC Network APAC and SBI VC Trade have signed an MOU with Shinhan Card. We will explore stablecoin-based cross-border payments and the integration of JPY-denominated stablecoin with in-store payment services. Read more: https://t.co/hpAMrrx1nn https://t.co/DsXhGbzCU3
— SBI XDC Network APAC 株式会社 (@sbixdc) October 21, 2026
SBI XDC Network APACとSBI VC Tradeは、Shinhan CardとMOUを締結しました。
ステーブルコインを基盤とした国境を越えた決済と、JPY建てステーブルコインの店頭決済サービスとの統合について検討を進めてまいります。…
3つの検証分野:カード決済、ウォレット間送金、国際貿易決済の効率化を検証
強固な管理体制:不正検知やマネーロンダリング防止(AML)対策を一体的に評価
圧倒的な市場規模:年間1,000万人を超える日韓の往来者数が潜在的利用基盤
国内インフラとの連動:銀行口座からの直接チャージ機能など、国内基盤の整備も進行中
日韓を繋ぐPayFi構想:カード決済・送金・貿易での実証実験
今回の合意は、新韓カードならびにSBIグループ傘下の暗号資産交換業者「SBI VCトレード」、貿易金融向けブロックチェーンインフラを手がける「SBI XDC Network APAC」の3社間で締結された。このプロジェクトは、ステーブルコインを単なる投資対象ではなく実社会の決済や資金移動に応用するPayFi(ペイファイ)分野の先進的な試みだ。
具体的には、日本からの訪韓客が手元の決済カードを用いて韓国の加盟店で円建てステーブルコイン決済を行える利便性の検証をはじめ、個人の暗号資産ウォレット同士の直接送金、さらには企業間における国際貿易取引の請求書決済に至るまで、幅広いユースケースでの実行可能性を探る。同時に、安全な運用に不可欠な不審取引検知システムや資金洗浄対策の検証も進められる。
急増する渡航者と試行背景:1,000万人規模の越境決済市場
この取り組みの背景には、活況を呈する日韓間の観光・ビジネス往来がある。政府の公式統計によると、2026年1〜8月の期間だけで日韓を往来した旅行者数は1,000万人を突破。韓国からの訪日客は740万人を超えてトップを維持し、日本からの訪韓客も270万人規模へと着実に増加している。
現在、旅行者の多くは従来のクレジットカードや外貨両替を利用しているが、ステーブルコイン決済を活用することで、より迅速かつ低コストな越境決済体験の提供が期待されている。
約2,000万人の会員基盤を持つ新韓カードと、日本国内でデジタル資産サービスを展開するSBIグループのシナジーにより、既存の金融インフラと分散型技術を結ぶ新たな架け橋が形成されつつある。
国内チャージ機能の拡充と今後の展望
ステーブルコインを国境越えの決済で普及させるためには、ユーザーが日常的にトークンを調達できる環境の整備が欠かせない。
国内では、円建てステーブルコインJPYCの発行元やSBJ銀行、LINE NEXTが連携し、銀行口座からウォレットへ直接ステーブルコインをチャージする実証実験も検討されている。暗号資産取引所を経由する複雑な手順を省き、預金からシームレスにトークンへ変換できる仕組みが確立されれば、日韓間での決済利用はさらに現実味を帯びてくる。
発行体の特定や商用展開の具体的なスケジュールなど未定の部分は残されているものの、日韓の金融大手が主導する今回の試みは、次世代の国際決済ネットワーク構築に向けた重要な第一歩といえるだろう。























