Interactive Brokersがイーサリアムのステーキングを開始、暗号資産サービスを拡大

Interactive Brokersがイーサリアムのステーキングを開始

大手オンライン証券であるInteractive Brokers(インタラクティブ・ブローカーズ)は、暗号資産インフラ企業のZeroHash(ゼロハッシュ)と連携し、対象顧客向けにイーサリアム(Ethereum/ETH)のステーキングサービスを新たに導入した。

顧客資産約9,000億ドル(約142.4兆円)規模を誇る金融機関によるこの動きは、伝統的な投資口座とデジタル資産との融合をより一層加速させる戦略的一歩と言える。今回のサービス導入により、適格な投資家は既存の株式や先物・オプションなどのポラフォリオと並行して、イーサリアムのステーキングを管理できるようになった。

IBKR Client Portal(クライアントポータル)内に開設された専用ダッシュボードからは、以下のような操作を一元的に行うことが可能だ。

・イーサリアムのステーキングおよび解除(アンステーキング)の申請
・処理待ち状態の取引ステータスのリアルタイム確認
・獲得したステーキング報酬の自動再投資(複利運用)による効率的な資産運用

同社のMilan Galik(ミラン・ガリク)CEO(最高経営責任者)は、この機能について同社の既存サービスであるYield Enhancement Program(株式利回り向上プログラム)になぞらえ、「保有資産から更なるリターンを得たいという投資家のニーズに応えるもの」と強調。ステーキングにはネットワーク状況に応じた利回りの変動や、一定期間の資産引き出し制限といった固有のリスクを伴うため、適切なリスク管理が求められる。

幅広い銘柄対応とステーブルコイン・外部送金による利便性向上

Interactive Brokersは、2021年の暗号資産取引開始以来、着実にそのサービス領域を広げてきた。現在ではビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアムをはじめ、ソラナ(Solana/SOL)、カルダノ(Cardano/ADA)、ドージコイン(Dogecoin/DOGE)など20種類の暗号資産取引に対応している。

さらに、ユーザー体験を高める多彩な機能も提供されている。

ステーブルコイン対応の強化:
USDC、RLUSD、PYUSDを用いた24時間対応の口座入金や、自動換算機能を備えた出金サービスを実現。
外部ウォレットとの柔軟な連携:
保有ポジションを売却することなく、外部ウォレットから同社指定の暗号資産口座(Paxos(パクソス)やZeroHash(ゼロハッシュ)管理)へ資産を移行・送金可能。
透明性の高い手数料体系:
スプレッド上乗せを行わず、取引額の0.12%〜0.18%(最小1.75ドル)という明確な手数料モデルを採用。

伝統的金融機関のデジタル資産参入と多角化戦略

同社の基盤を支えるZeroHashは、連邦レベルでの銀行業務認可を目指してZerohash National Trust Bank(ゼロハッシュ・ナショナル・トラスト・バンク)の信託銀行ライセンスをOCC(米国通貨監督庁)に申請するなど、法規制への適応力を強めている。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)をはじめとする他の大手金融機関も暗号資産関連サービスの拡大を模索しており、業界全体でカストディやステーキングを取り込む動きが顕著だ。

また、Interactive Brokersは暗号資産の現物・ステーキングにとどまらず、プロダクトの多角化を進めている。Coinbase Derivatives(コインベースデリバディブ)と提携したNano Bitcoin(ナノ・ビットコイン)、ナノイーサリアム(ano Ethereum)といった小口暗号資産先物の24時間取引のほか、Kalshi(カルシ)やCMEの市場を集約した統合型予測市場プラットフォームの提供など、投資家に多様な取引機会を提供し続けている。

 

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