決済企業Conduitが資金返還と損害賠償を要求
ステーブルコインUSDTを発行するテザー(Tether)社が、約276万ドル(約4.3億円)相当の資産凍結を巡り、新たな訴訟に直面している。
決済企業Conduitは、1年以上続く凍結に正当な理由がないと主張。テザーの資産凍結対応を巡る争いが広がっている。
ブラジルの捜査を背景に資金凍結、Conduitは正当性を否定
国際決済サービスを提供するConduitは2026年10月5日(月曜日)、テザーの関連法人4社を相手取り、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に訴訟を提起した。
訴状によると、テザーは2025年9月24日、Conduitの財務ウォレットに保管されていた約276万USDTを凍結し、1年以上にわたって解除を拒否している。
Conduitは100カ国以上でステーブルコインを利用した国際送金を手掛けており、凍結されたウォレットは事業運営に必要な資金を管理する銀行口座のような役割を担っていた。同社は凍結前の約4カ月間で11億ドル(約1,740億円)以上の取引を処理していたが、資金繰りの悪化によって従業員の解雇やオフィスの閉鎖を余儀なくされたという。
今回の凍結には、ブラジル連邦警察によるOnix Intermediações(オニキス・インテルメジアソンイス)の捜査が関係している。同社は以前Conduitのサービスを利用していたものの、2025年4月には利用を停止しており、問題のウォレットはその約1カ月後に作成された。
Conduit側は、ウォレットにOnixの資金は含まれておらず、ブラジル当局も凍結対象として指定していなかったと説明。テザーが独自の非公開基準で資金を凍結したとして、その正当性を争っている。
凍結資産の利益も争点に、相次ぐ訴訟で対応に注目
Conduitは、テザーが資金を凍結する一方、そのUSDTを裏付ける米国債などの準備資産から利息を得続けていると指摘する。
訴訟では横領や不当利得、受託者義務違反、コンピューター詐欺などを主張。凍結資金の返還に加え、276万ドル(約4.3億円)以上の補償的損害賠償や懲罰的損害賠償、凍結期間中に得られた利益の返還を求めた。
テザーを巡っては8月31日にも、タイの実業家2人が約4,240万ドル(約67億円)相当のUSDT凍結を巡って提訴している。原告側によると、2025年10月30日に法執行機関からの非公式な要請で対象アドレスがブラックリストに登録された一方、差し押さえ令状が発行されたのは翌年2月19日であった。
この別訴訟に対し、テザーは法執行機関との協力を妨害する根拠のない試みだと反論。同社は65カ国の340以上の機関と協力し、犯罪容疑に関連する44億ドル(約6,960億円)以上の資産凍結に貢献してきたと説明している。
一方、米国ではイランの制裁回避にUSDTが利用されているとして、テザーの対応が不十分だとする批判も出ている。
資産凍結の判断とその正当性が問われる中、今回のConduitの訴訟についても、現時点で裁判所の判断は示されていない。
























