7月の仮想通貨ハッキング被害が1.1億ドルに増加、バグ発見件数も上昇傾向

仮想通貨ハッキング被害が1.1億ドルに増加

暗号資産業界におけるセキュリティの不確実性が再び高まっています。2026 年7月の単月ハッキング被害額は約1億1,000万ドル(約160億円)に達し、依然として不正流出リスクが極めて高い状況が浮き彫りとなった。

一方で、セキュリティ研究者による脆弱性の早期発見活動も活発化しており、防御側と攻撃側の攻防が激しさを増している。ハッキング被害が深刻化する一方で、ホワイトハッカーなどの研究者による事前防衛の成果も目立っている。セキュリティプラットフォームImmunefi(イミュネフィ)の最新データによると、7月に検証・報酬支払いに至ったバグバウンティ(脆弱性報奨金)の報告数は前月比で18%増加し、研究者に支払われた報酬総額は232万ドル(約3.7億円)に上っている。

同月に未然に防がれた脅威は374件と、5月の339件、6月の317件から増加傾向を辿っており、研究者への累計支払額は1億4,310万ドル(約227.7億円)に達した。この結果は、悪用された場合の経済的損失を未然に防ぐ手段として、報奨金制度が確実に機能していることを示している。

監査コンペティションの有効性とコストパフォーマンス

脆弱性の発見手法においても変化が見られる。従来の単一業者による非公開のティア1(最高水準)監査1,178件の調査では、重大(Critical)や深刻度の高い(High)バグの発見数中央値はゼロ、1件あたりの平均発見数は1.5個にとどまった。

これに対し、複数の研究者がコード検証を競い合う監査コンペティション(58件の事例)では、1件あたり平均6.2個の深刻なバグが特定された。開放的な環境で多様な視点からコードを検証する手法が、隠れた欠陥を見つけ出す上で優れていることが証明されています。

また、費用面でも大きな開きが存在している。重大なバグを1件発見するのに要した平均費用は、非公開監査が約6万6,000ドル(約1,000万円)であったのに対し、コンペティション形式では6,548ドル(約100万円)と約10分の1に抑えられた。

多層防御の重要性と投資家への示唆

重大な脆弱性が悪用された場合、1件あたりの平均被害額は2,450万ドル(約39億円)に達すると推定されている。事前予防にかかる報奨金やテスト費用は、流出時の資金枯渇やトークン暴落、業務停止といった破滅的リスクに比べれば格段に低いコストである。

ハッキングによる巨額損失が続く現状は、単一の監査だけでは防ぎきれないリスクが存在することを示している。内部検証、専門業者による非公開監査、オープンな監査コンペや継続的なバグバウンティを組み合わせた「多層防御」を構築できているかどうかが、Web3プロジェクトの持続可能性を左右する鍵となるだろう。