バイナンスが金・銀オプションを開始
大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)は2026年7月29日(水曜日)、コモディティ(商品)デリバティブのラインアップ拡充に向け、テザー(Tether/USDT)決済による「金・銀のオプション取引」を新設したと発表した。
今回の導入背景には、金価格の最高値更新などに伴うインフレヘッジ需要の高まりと、同社における貴金属先物取引の急速な拡大がある。
2026年1月に提供を開始した金・銀の無期限先物取引は、取引高のピーク時に金が1日あたり77億7,000万ドル(約1.27兆円)、銀が72億7,000万ドル(約1.1兆円)を記録。この圧倒的な流動性と注文板の厚みが基盤となり、次の展開としてオプション市場の開設へ踏み切る形となった。
ADGMの厳格な規制に基づく安全な取引環境
新たに提供されるオプション取引は、ADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)の規制下にあるバイナンス傘下のNest Exchange Limited(ネスト・エクスチェンジ)を通じて上場される。
取引様式: 権利行使が満期時のみ可能な「ヨーロピアンスタイル」
決済手段: USDT決済(現物を受け取ることなく価格変動に投資可能)
価格指標: 複数の独立系データベンダーによる加重平均を算出し、公正なベンチマークを提供
個人投資家のリスク低減策と今後の展望
今回のオプション取引では、投資家保護の観点から役割が明確に分かれている。
個人投資家: コール(買い)およびプット(売り)オプションの「購入」のみ可能。損失が支払ったプレミアム費用に限定されるため、急激な価格変動による清算リスクを回避できます。
機関投資家・マーケットメーカー: オプションの「売り出し(発行)」が可能。リスクを引き受ける代わりにプレミアム収入を得る役割を担います。
バイナンスは初心者向けに教育コンテンツを公開し、リスク開示の遵守を徹底する姿勢を示しています。将来的には他の原資産オプションの追加や、厳格な枠組みの中で個人投資家向け売り出し機能の解禁も検討していくとのこと。
RWAトークン化商品市場の広がり
現在、実物資産のトークン化=RWA市場は流通価値が45億ドル(約7,356億円)規模を超えて急速に拡大中だ。
テザー・ゴールド(Tether Gold/XAUt)をはじめとするトークンがシャリア認証(イスラム認証)やADGMによる承認を受けるなど、伝統的資産と暗号資産インフラの融合が加速しており、バイナンスによる今回の規制対象デリバティブ提供もその大きな足がかりとなりそうだ。























