インドネシア貿易省は、取引量の急増に続いて新仮想通貨税を実施

インドネシア貿易省が仮想通貨税導入を予定

インドネシア貿易省は、最近のインドネシア国内における仮想通貨取引量の爆発的な増加を受け、新たな仮想通貨税を導入する予定であることを明らかにした。

最近の仮想通貨取引増加の結果、インドネシアは仮想通貨取引にVAT(Value-Added Tax=付加価値税)を課すとともに、そのような投資によるキャピタルゲインに所得税を課すことを検討しているとのこと。4月1日(金曜日)、税務当局のヘストゥ・ヨガ・サクサマ(Hestu Yoga Saksama)氏によると、インドネシアは5月1日(日曜日)から仮想通貨投資のキャピタルゲインに0.1%のVATを貸すことを検討しているとのこと。

仮想通貨取引に課されるVATは、商品やサービスに課される税率である11%よりも低く、投資に課される0.1%は株式に課される税金と同レベルであるとのこと。実際、インドネシアの商品先物取引規制庁によると、2021年、商品先物市場におけるインドネシアでの仮想通貨取引は、2020年代の取引量から約1000%増加しており、59.8億ドル(約7,330億円)にまで膨れ上がっているという。

インドネシア財政が大きく関与する仮想通貨税

インドネシアでの仮想通貨保有者数は、2021年に1,120万人であったのに対して、2022年に1,240万人へと11%、120万人以上増加している。

現段階でインドネシアは、仮想通貨を商品として取引することは認められているが、支払い手段として活用することは認めていない。サクサマ氏はこれに関し、次のように語っている。

国が仮想通貨に所得税とVATを課すことになるでしょう。仮想通貨は貿易省が定義する商品であるため通貨ではありません。

新しい仮想通貨税法の根拠にはインドネシアの財政事情が絡んでいるとみられており、インドネシア国会は2021年10月にVATの引き上げ、炭素税の導入、COVID-19の流行、法人税減税の取り消しを行う税法を承認したことで2020年に多額の支出を経験している。また、2021年5月に初めて仮想通貨に対する所得税の可能性についてのニュースがインドネシアで流れており、当時から、インドネシア政府は仮想通貨の利益に対する所得税を検討していると考えられている。

仮想通貨メディアのCointelegraphは、インドネシア政府当局が、早くも2014年から仮想通貨を支払いに使うことについて国民に警告を発していたにもかかわらず、仮想通貨取引に税を課すことを何度も検討していたと報告。一方で、インドネシア政府は仮想通貨の法的枠組みを確立する準備を進めているとのことだが、NEXTMONEYの特集記事「インドネシアの宗教評議会は仮想通貨をハラーム宣言し、その使用を禁止へ」、「インドネシアのイスラム教組織が仮想通貨に対してファトワを発行」で報じたように、イスラム学者で構成される国立ウレマ評議会は、取引ツールとしての仮想通貨は宗教法で禁じられているハラームとの見解を示している側面もある。

サクサマ氏のコメントによると、仮想通貨税に関する規定はまだ作成中であるとのことだが、2021年に可決された税法では、政府が仮想通貨に課税する権限が与えられているだけに、インドネシア国内の仮想通貨ユーザーは、戦々恐々である。

インドネシアの宗教評議会は仮想通貨をハラーム宣言し、その使用を禁止へ

2021.11.12

インドネシアのイスラム教組織が仮想通貨に対してファトワを発行

2022.01.21