Hut 8がAIデータセンター需要の急増に応える
暗号資産マイニングから次世代のデジタルインフラ事業者へと劇的な転身を遂げつつあるHut 8は、テキサス州ビーコンポイントに位置する1ギガワット(GW)級キャンパスの運用において、歴史的な前進を果たした。
同社は、すでに信用力の高い優良(投資適格)テナントとの間で、352メガワット(MW)のIT容量を対象とする15年間の大規模リース契約を結んだと発表。この取引額は98億ドル(約1.5兆円規模)にのぼり、発表直後の市場では同社株価がプレマーケットで約5%高、その後最大で約14%の急伸を見せた。
最新アーキテクチャ導入による高密度化と財務の安定化
今回の契約締結により、ビーコンポイントにおける該当主要顧客の契約容量は704MWへ拡大し、同拠点の初期容量はすべて埋まることとなった。
Hut 8はNVIDIAの最先端設計(※DSXリファレンスアーキテクチャー)を採用してデータホールを再設計することで、従来の敷地面積や電力供給網を維持したままIT容量密度を57%引き上げることに成功。この高いエネルギー効率と高密度化が、既存顧客による利用枠の倍増につながった。
本契約はトリプルネット=NNN構造(※長期のインフラ賃貸(リース)契約)を採用し、年3.0%の昇給率が設定されているため、かつてのマイニング事業のようなボラティリティの激しい市場環境から脱却し、長期にわたり強固で予測可能性の高い収益基盤を確立した。同キャンパスの基本契約額は15年間で196億ドル(約3.18兆円)、更新オプションを含めれば最大502億ドル規模に達する見込みだ。
仮想通貨からAIへ:インフラ競争の覇権を握る強み
生成AIの爆発的普及に伴い、テクノロジー業界では高度な半導体の調達にとどまらず、電力量や送電網へのアクセス、整備済み用地といった「物理的インフラ」の確保が最大のボトルネックとなっている。
Hut 8はマイニング時代に培った電力相互接続の権利や設備構築の専門知識を最大限に活かし、市場の激しい需要を捉えた。現在、同社全体でのAI関連の契約済み容量は949MW、裏付けとなる電力容量は1,330MWに達しており、基本契約総額は266億ドル(約4.3兆円)、NOI=年間平均純営業利益は17億5,000万ドル(約2,844億円)を超えている。同社は、さらに増大するAIインフラ需要に応えるべく、2028年第2四半期には第2期データホールの稼働開始を予定している。
























